プロポーザルの設計とは?応募から選定までの流れ
自治体が業務を民間企業に依頼・発注する際、利用される方法の一つがプロポーザル方式です。
単純に価格だけで決められる方式ではないため、難易度が高い面もありますが、準備設計と提出までの流れを理解することで、競争力のある提案を作成し成功を掴むことができます。本記事では、プロポーザルの基本を踏まえたうえで、選定されるまでの各段階におけるポイントや注意点を解説します。
プロポーザルとは
プロポーザルとは?
プロポーザルとは、特定のプロジェクトや業務に対して、複数の企業や団体が提案を競い合う入札形式の一種です。
発注する自治体は、このプロセスを通じて最も適した提案を選びます。
プロポーザルは、価格だけでなく、提案内容や実行能力なども含めて総合的に評価されるため、質の高い提案が求められます。
プロポーザルとコンペの違い
プロポーザルとコンペは似た形式ですが、目的や評価基準が異なります。
コンペは主に具体的な要件に基づいたデザインやアイデアを競うもので、美術展や建築設計などでよく使われます。
一方、プロポーザルは自治体の解決したい課題の解決に向けた実際の業務遂行能力や提案の実現性、費用対効果などを総合的に評価します。
業務やプロジェクトの実行者を選定することが目的となるため、具体的な案が重要視されるコンペとは異なります。
プロポーザルは実際の業務の遂行を前提とし、提案を行う事業者の知識や経験などが求められるため、綿密な事前準備は欠かせません。
プロポーザルの流れ
プロポーザルの選定までのプロセスは、いくつかのステップに分かれています。
一般的にプロポーザル案件によく見られる流れについて、注意すべき点とともに解説していきます。
①プロポーザル案件の公示と参加申請書の提出
発注者からプロポーザルの募集が告知されます。
ここでプロジェクトの概要、求められる提案内容、提出期限などの詳細条件が示されます。
事業者は参加申請書を提出し、その後発注者の審査によって参加資格を満たした事業者に提案書の提出が求められます。
公示から申込書の期限までは概ね10日程度と短期間のため、定期的に自治体のHPの情報をチェックすることをおすすめします。
②案件の要件理解と分析
告知された情報を元に、プロジェクトの目的、要求事項、評価基準を詳細に分析します。
該当案件の求められる要素や評価ポイントを正しく把握していないことが失敗要因になってしまう事も多いため、注意して行いましょう。
具体的によく理解しておく点としては、発注する自治体の課題背景やプロジェクトの目的、対象となる市場の情報です。
また、これらに加えて案件の競合他社の動向も調査し、自社の提案がどのように差別化できるかを考えておきましょう。
リサーチを通じて発注者のニーズや期待する点を深く理解し、それに応えるための具体的なアイデアを練っておくことで、要件を満たすために的確な準備を進めることができます。
③提案資料作成
参加申請書を提出後、参加資格を満たすことができた事業者へ提案書の提出が求められます。
資料の作成には複数の専門的なスキルが求められます。かつ、提案書の内容は評価へ直結することも多いためとても重要です。
提案書は、提案内容について具体的にまとめた資料を作成します。
内容には、プロジェクトの概要、具体的な提案内容、実施計画、スケジュール、予算などが含まれます。
一般的な提案書の構成は以下のような流れになっています。
表紙:プロジェクト名、提出者名、提出日など
目次:提案書の構成を一目で理解できるようにしましょう
プロジェクト概要:プロジェクトの目的、背景、重要性などを簡潔に説明
提案内容:具体的なアプローチ方法、実施計画など
スケジュール:目的達成までのスケジュールと重要なポイントの提示
予算:費用見積もりとその内訳
業務実施体制:プロジェクトを実施するためのチーム構成と役割分担
案件や提案内容によって構成は変化することが考えられますが、評価内容を満たしている事が前提となります。
評価内容を満たしている事が伝わりやすいことに加えて、他社との優位性を示せるとより成功への確率が上がるでしょう。
また、自社の提案内容を魅力的に伝えることができるよう、デザイナーやライターなどの専門的な知識を持った人材や、プロポーザルについてのノウハウを持っている業者に依頼することも一つの方法です。
④プレゼンテーションの準備
プロポーザルにおける多くの審査で見られる評価方法が提案書とプレゼンテーションの組み合わせです。
提案内容を口頭で説明するためのプレゼンテーション資料を準備し、提案の魅力を伝えます。
発注者により魅力的な提案であることが伝わるよう、下記のポイントに気を付けてプレゼンテーション資料を作成しましょう。
視覚的なアプローチ:テキストは簡潔に、図やグラフを多用して視覚的にアピールできるようにしましょう。
ストーリーテリング:提案内容をストーリー仕立てで説明し、提案内容が実現できるイメージを持てるようにすることで聞き手の関心を引きます。
プレゼンテーションの目的は、「提案内容の魅力を最大限に伝えること」です。
本番で伝え漏れの発生によって評価を逃さないために、自信をもって伝えられるようにしっかりと準備を行いましょう。
⑤審査
提出された提案書やプレゼンテーションを元に、発注者が審査を行います。
また、上記の審査に加えて質疑応答が含まれることも多く見られます。
これらを審査として評価基準に基づいた得点が付けられ、最も優れた提案が選定されます。
審査の際には以下のポイントが重視されます。
提案内容の具体性:提案内容が具体的で実現可能か
実施計画の現実性:スケジュールや予算が現実的であるか
業務実施体制の信頼性:チーム構成や役割分担が明確で、信頼性があるか
審査員は、これらのポイントを総合的に評価し、最も適した提案を選びます。
これらの要件を満たしているか、というアピールが提案書、プレゼンテーション、質疑応答の内容に盛り込まれているようにしましょう。
また、提案書とプレゼンテーション、質疑応答の内容がそれぞれ一致していることも重要です。
質疑応答も質問を予想立てて練習を行い、伝えるべきことを伝えられるよう準備を万全にしておきましょう。
デボノのプロポーザル支援が可能な事
デボノのプロポーザル支援では、経験豊富なコンサルタントがプロポーザル案件の提案から提案資料、プレゼンテーション資料の作成を支援します。
AIやビッグデータを活用することで評価内容に沿った資料の作成や、AIによるスコアリングを行いプロポーザルの成功に近付けていきます。
資料制作やAI活用に関してサービス提供実績や豊富なノウハウがあるため、それらを活かした高品質な資料作成が可能なことも特徴です。
プロポーザルの準備を進め方に不安がある方や、お困りの方はぜひお問い合わせください。
まとめ
プロポーザルは準備することも多く大変ですが、受注に繋がれば大きな利益に繋がります。
どの準備においても、いかに「評価点を満たしていることを伝えられるか」が重要です。
客観的な視点を取り入れたり、必要に応じて実績のある業者や外部のリソースを活用しながら、効率的かつ評価に対して的確に進めていくことができるようにしていきましょう。