WTOプロポーザル完全ガイド:参加資格から成功戦略まで

・ WTOプロポーザルとは?巨大な国際ビジネスチャンスの入り口
国際基準の大型案件に参加できる制度で、グローバル展開を狙う企業には絶好の機会です。
・ 勝てる提案書とは?技術力+国際対応力がカギ
提案内容の具体性、差別化、多文化対応が評価され、視覚的な資料も重要です。
・情報収集と改善サイクルで継続的に強くなる
公告の早期把握と評価結果の分析を重ねることで、提案の質を継続的に高められます。
WTOの政府調達協定(GPA)に基づく入札案件、いわゆる「WTOプロポーザル」は、国内外の企業が同じ土俵で競う大型調達案件です。契約金額は数億円規模に達することも多く、落札できれば企業の実績と収益に直結します。
ただし、参加条件・書類構成・審査の仕組みは通常の入札と大きく異なります。本記事では「自社がWTO案件に参加できるのか」「何から準備すればいいか」という実務的な問いに正面から答えながら、プロポーザルで選定されるための戦略を解説します。
WTOプロポーザルとは:基本概念と重要性

WTO(世界貿易機関)の概要
WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)は、国際貿易のルールを定め、貿易自由化を推進する国際機関です。1995年に設立され、2025年10月現在で166の国と地域が加盟しています。貿易障壁の削減、加盟国間の紛争解決、国際ルールの策定を通じて、世界経済の安定と発展を支える基盤となっています。
日本はWTOの創設メンバーであり、自由貿易体制の恩恵を享受してきました。近年は米中間の貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響によりWTOの機能不全が指摘される場面もありましたが、国際貿易の基本的な枠組みとしての役割は変わりません。
政府調達に関する協定(GPA)の役割
WTO協定の中で公共調達に深く関わるのが「政府調達に関する協定」(GPA:Agreement on Government Procurement)です。この協定は、政府や地方自治体などの公的機関が行う調達において「自国と他国の事業者を差別しない」ことを義務付ける国際条約です。2025年2月末現在、GPA協定には49の国・地域が参加しており、日本、米国、EU、韓国、オーストラリアなど主要経済圏をカバーしています。
GPAの目的は、政府調達における透明性・公正性・無差別性を確保し、調達プロセスを開かれたものにすることです。海外企業も参入できることで競争が促進され、品質と価格の両面でより良い調達が実現されます。
WTO対象案件におけるプロポーザルの位置づけ
WTO対象案件とは、GPA協定に基づいて「海外の企業にも入札参加が認められる案件」のことです。一般に一定の基準額以上の大型案件が該当し、公示から入札までの期間が国内案件より長く設定されています。こうした案件では、価格だけでなく技術力・実績・提案内容を総合的に評価する「プロポーザル方式」が採用されることが多くなっています。
ここでいう「プロポーザル」とは単なる入札書類ではなく、事業の実施方針・手法・取組体制・実績などを詳細に記した提案書のことです。国内外の競合と差別化を図り、発注者のニーズに応える質の高い提案が勝敗を分ける重要な要素となります。
プロポーザル方式の特徴と通常入札との違い
プロポーザル方式と一般競争入札の最大の違いは評価軸です。一般競争入札では「価格の安さ」が主な評価基準になりますが、プロポーザル方式では「提案内容の質」が重視されます。
| 比較項目 | 一般競争入札 | プロポーザル方式 |
|---|---|---|
| 主な評価軸 | 価格 | 技術力・提案内容・価格の総合評価 |
| 審査方法 | 入札書の開封 | 書類審査+プレゼンテーション・ヒアリング |
| 審査基準の公開 | 最低価格原則 | 評価項目・配点があらかじめ公開 |
| 多言語対応 | 基本的に不要 | 英語対応が求められることがある |
| 契約規模 | 大小さまざま | 大型案件が中心 |
WTO対象のプロポーザルでは、多言語対応が求められることもあります。国内案件より準備の負担は増しますが、契約金額が大きく、落札できれば実績・収益ともに大きなリターンが得られます。
WTOプロポーザル対象となる案件の条件と特徴

基準額の設定と対象案件の範囲
WTOプロポーザルの対象となるのは、一定の基準額以上の政府調達案件です。この基準額は案件の種類と発注機関の区分によって異なり、為替変動を反映するSDR(特別引出権)をもとに2年に1度改定されます。現行の基準額は令和6年4月1日から令和8年3月31日の間に適用されるものです。
| 発注機関区分 | 物品・サービス | 建設工事(建設コンサル含む) |
|---|---|---|
| 中央政府機関 | 約1,800万円以上 | 約8億1,000万円以上 |
| 地方政府機関(都道府県・政令指定都市) | 約3,600万円以上 | 約27億2,000万円以上 |
| その他の機関(独立行政法人等) | 約1,800万円以上 | A群:約27億2,000万円、B群:約8億1,000万円以上 |
邦貨換算額は2年ごとに見直されます。最新の確定値は外務省ウェブサイト(政府調達協定及び我が国の自主的措置の定める基準額)でご確認ください。建設工事での基準額引き上げ(従来の約6億9,000万円→約8億1,000万円)は円安傾向を反映したものです。
対象となる調達機関
WTOプロポーザルの対象機関は大きく3つに分類されます。第1の区分は「中央政府機関」で、会計法の適用を受ける国の機関すべてが含まれます。具体的には各省庁、国会、裁判所などです。
第2の区分は「地方政府機関」で、地方自治法の適用を受ける全都道府県および政令指定都市が該当します。第3の区分は「その他の機関」で、A群とB群に分かれます。A群には日本銀行・日本赤十字社・NHK・国立大学法人などが含まれ、B群には日本郵便株式会社など日本郵政公社を承継した機関、特殊法人、独立行政法人などが含まれます。各区分で適用基準額が異なるため、発注機関の区分確認は案件探しの基本動作です。
対象となる業種・サービス
WTOプロポーザルの対象業種は「物品調達」「サービス調達」「建設工事」の3カテゴリーに大別されます。物品調達には事務用品・備品・車両・コンピュータ機器など、サービス調達にはコンサルティング・システム開発・警備・清掃・研修などが含まれます。
ただし、すべての業種が対象になるわけではありません。外務省が公開する「サービスに係る付表5」および「建設サービスに係る付表6」に掲載されているサービスのみが対象です。自社の業種がWTO対象に含まれるかどうかの確認は参加判断の前提条件です。単独では対応が難しい場合は、他社とのアライアンス・JVの検討も有効な選択肢になります。
WTOプロポーザル案件の公告から契約までのタイムライン
WTO対象案件は通常の入札と比較して公告から入札までの期間が長く設定されています。通常の競争入札では公告期間が10日以上とされていますが、WTO案件では原則50日以上が義務付けられています。これは海外企業を含む幅広い事業者が情報を入手し準備する時間を確保するためです。
- 案件公告(官報・政府公共調達データベースに掲載)
- 入札説明書の配布・参加資格の確認
- 質問・回答期間
- プロポーザル(企画提案書)の提出
- 書類審査
- プレゼンテーション・ヒアリング
- 評価・選定・落札者決定
公告から提出まで1.5〜2か月程度の準備期間が設けられるのが一般的です。この期間を「長い」と受け取るのではなく、質の高い提案書を仕上げ、必要に応じて海外パートナーとの連携体制を構築するための時間と捉えることが重要です。
WTOプロポーザル参加のための資格要件と準備

必要とされる入札参加資格
WTOプロポーザルへの参加には、発注機関に応じた入札参加資格の取得が前提条件です。主な資格は以下の3種類です。
「全省庁統一資格」は、中央省庁や独立行政法人が発注する案件に参加するための資格で、一度取得すれば多くの中央政府機関の入札に参加できます。審査結果によってA・B・C・Dの等級が決定され、規模の大きいWTO案件ではA等級が求められることが多いですが、案件によってはB等級以下にも参加機会があります。
「地方公共団体の入札参加資格」は、都道府県や政令指定都市が発注する案件に参加するための資格です。多くの自治体が2年に一度の定期受付を行っており、物品・役務と建設工事などの区分ごとに審査が行われます。建設工事の案件では「経営事項審査(経審)」も必須で、WTO対象の建設工事案件では高い経審点数が求められます。
国内企業と海外企業の参加条件
WTOプロポーザルでは国内企業と海外企業が同じ条件で競争しますが、実際の手続きには若干の違いがあります。国内企業の場合は前述の入札参加資格に加え、案件ごとに設定される個別条件(特定業務の実績、有資格技術者の配置など)を満たすことが求められます。
海外企業は日本の入札参加資格を直接取得することも可能ですが、手続きの煩雑さから日本国内の子会社・代理店を通じた参加が多い実態があります。注目すべき点として、外国の親会社の実績や技術力を日本の子会社が申請に活用できるという制度上の柔軟性があります。また、提案書の提出は日本語が求められるケースが大半であり、適切な翻訳対応や日本市場に精通したパートナーの確保が実務的な鍵となります。
共同企業体(JV)での参加方法
WTO案件は規模が大きく複合的な技術・サービスが求められるため、単独での参加が難しいケースも少なくありません。そのために活用されるのが「共同企業体(Joint Venture:JV)」です。JVとは複数の企業が特定の案件のために一時的に結成する企業連合で、各社の強みを組み合わせることでより競争力のある提案が可能になります。
JVを組む際は「共同企業体協定書」を作成し、各社の役割分担・出資比率・代表企業を明確にします。ただし、意思決定プロセスの複雑化や利益配分の調整、文化・商習慣の違いから生じる摩擦も生じやすいため、協定書の段階で詳細な取り決めを行っておくことが不可欠です。
資格審査申請の手続きと注意点
全省庁統一資格の申請はインターネット経由で行います。必要書類は財務諸表・登記事項証明書・納税証明書・営業許可証などで、これらを揃えるだけでも相当の時間がかかります。審査では、企業規模(売上高・従業員数)、経営状況(自己資本率・流動比率)、実績(過去の同種業務)を総合的に評価して等級が決定されます。
多くの資格は2〜3年ごとに更新が必要なため、定期受付期間の見逃しに注意してください。WTO案件特有の注意点として、国際認証の重要性があります。ISO9001(品質マネジメント)やISO14001(環境マネジメント)などを取得していることが審査で評価されるケースが多く、過去の国際プロジェクト実績を適切に記載することも高評価につながります。
効果的なWTOプロポーザル書類の作成方法

プロポーザル書類の基本構成
WTOプロポーザルにおける提案書の基本的な構成は以下のとおりです。案件によって細部は異なりますが、この流れを押さえておくことで書類作成の全体像が見えてきます。
- 表紙・目次:案件名、提案者名、提出日などの基本情報
- 会社概要:沿革・資本金・従業員数・事業内容を簡潔に
- 提案の概要・基本方針:発注者の課題への理解と基本アプローチ
- 実施体制:チーム構成・役割分担・責任者の経歴と実績
- 実施方法・プロセス:業務の進め方・スケジュール・品質管理方法
- 実績・経験:同種・類似業務の実績、技術的強み、保有認証
- 見積書・価格提案:費用の内訳と価格の根拠
WTO案件では実施体制に「グローバル対応力」が求められるケースがあります。国際的な人材配置や連携体制を体制図で可視化し、発注者が実施イメージを描けるよう工夫することが重要です。
企画提案書作成のポイント
WTOプロポーザルで選定されるための提案書には、3つの軸があります。第1は「発注者のニーズへの正確な応答」です。公告文・仕様書を細部まで読み込み、明示された要件だけでなく、背景にある課題や目標を読み取ることが求められます。
第2は「具体性と実現可能性」です。抽象的な方針ではなく、具体的な手法・実施プロセス・成果物のイメージを示すことが評価につながります。図表・フローチャート・参考イメージを積極的に活用し、文字数を抑えながら内容を伝える工夫が必要です。
第3は「差別化ポイントの明確化」です。独自の技術・ノウハウ、過去の成功事例から得た知見、コスト削減・効率化の工夫など、競合他社との違いを具体的に記述します。「他社も同様のことが言えるはず」と感じる記述は差別化になりません。
実績・技術力のアピール手法
実績のアピールで陥りがちな失敗は、「件数と金額の列挙」で終わることです。審査で評価されるのは「この案件でどんな課題を解決したか」「どんな付加価値を提供したか」です。現在の案件との類似性が高い実績については、応用可能なノウハウを明示してください。
技術力の証明には、特許・知的財産権・技術認証・受賞歴などの客観的指標を活用します。国際認証(ISO認証など)や国際的な賞の受賞は、WTO案件では特に有効なアピールポイントです。プロジェクトに関わる主要メンバーの経歴・資格・実績を具体的に記載し、国際プロジェクト経験を持つ人材の存在も強みとして機能します。
品質管理・リスク管理体制の説明も効果的です。過去のトラブル対応事例や想定リスクへの対処策を示すことで、「安心して任せられる企業」という印象を与えられます。
国際競争力を示すための戦略
WTOプロポーザルは国際競争の場であり、グローバルな視点からの競争力を示すことが求められます。「国際標準への準拠」では、ISO規格などの国際品質基準や業界ごとの国際標準に準拠していることを明示します。
「多言語・多文化対応力」では、多文化チームでのプロジェクト運営経験や異なる文化圏でのビジネス習慣への理解を示します。「グローバルネットワークの活用」では、国内外の協力企業・研究機関・専門家とのネットワークを示し、単独では対応が難しい課題にも取り組める体制をアピールします。
「SDGs・ESGへの取り組み」は近年の国際調達で重視される評価軸です。環境負荷低減・人権配慮・地域社会への貢献など、SDGsに沿った活動を提案に盛り込むことで国際的な評価を高めることができます。特に国連機関・先進国の政府機関が発注するWTO案件では、この観点が重要な選定要件になるケースがあります。
WTOプロポーザルの審査基準と評価のポイント

一般的な審査基準と配点方式
WTOプロポーザルの審査では、事前に審査基準と配点方式が公表されます。一般的な構成は「技術評価」と「価格評価」の2軸です。
| 案件の性質 | 技術評価の比重 | 価格評価の比重 |
|---|---|---|
| コンサルティング・システム開発など高度専門業務 | 70〜80% | 20〜30% |
| 標準的な物品調達・汎用サービス | 40〜60% | 40〜60% |
| 技術的難易度が高い建設工事 | 60〜70% | 30〜40% |
技術評価の代表的な項目は、業務理解度・実施方針と手法の適切性・実施体制の妥当性・実績と専門性・工程計画の妥当性などです。WTO案件では「国際的な対応力」「多言語対応能力」「文化的多様性への配慮」が追加項目として設定されることもあります。配点比率は案件ごとに異なるため、入札説明書で必ず確認してください。
技術評価と価格評価のバランス
WTOプロポーザルで落選する企業に多いのは、技術評価で高点数を狙うあまり価格が大きく乖離するケースと、価格競争に徹した結果として技術評価が基準を下回るケースです。どちらも総合評価では上位に入れません。
近年重視されているのが「総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)」の概念です。初期投資だけでなく、運用保守コストや将来的なアップグレードコストを含めた総合的な経済性が評価軸に加わることが増えています。価格設定では「安く見せる」ではなく「総コストで優位性を持つ」という発想が有効です。
プレゼンテーション・ヒアリングの対応策
書類審査を通過すると、プレゼンテーションとヒアリングが実施されることが一般的です。限られた時間で核心メッセージを伝えるため、提案のハイライトと差別化ポイントを中心に構成します。スライドは文字ばかりにならないよう、図表・イメージを効果的に使用してください。
提案内容の実現可能性・コストの根拠・リスク対策について詳細な説明ができるよう、社内で模擬質疑応答を実施します。プレゼンテーションが英語で行われる場合や通訳を介す場合は、専門用語の英語表現を事前に確認しておいてください。実際にプロジェクトを担当する主要メンバーが登壇し、チームとしての一体感と専門性を示すことも重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 技術評価が高くても価格が高すぎると落選しますか?
総合評価点は技術評価と価格評価の合計で決まります。技術評価で満点に近い得点を取っても、価格評価で著しく低い点数になれば逆転される可能性があります。案件ごとに配点比率が公開されているため、価格設定の前に必ず確認してください。
Q. 国際実績がない国内企業はWTO案件で不利ですか?
国際実績の有無そのものは必須要件ではありません。ただし、「国際的な対応力」が評価項目に含まれる案件では、JVで国際経験を持つ企業と組む、ISO認証を取得するなどの準備が競争力を高めます。まず国際的な要素が少ない案件から参加実績を積む方法も有効です。
Q. 提案書は英語でも提出が必要ですか?
案件によります。英文での提出が求められる場合は入札説明書に明記されています。英語版が任意の場合でも提出すると評価上プラスになる案件もあるため、説明書を精読して判断してください。
WTOプロポーザル案件情報の収集方法

官報・各種公告サイトの活用法
WTOプロポーザル案件の情報収集で最も基本的かつ重要な情報源が「官報」と各公告サイトです。日本国内のWTO対象案件は原則として官報への掲載が義務付けられており、総務省が運営する「インターネット版官報」で閲覧できます。
より効率的なのは、JETROが運営する「政府公共調達データベース」(https://www.jetro.go.jp/gov_procurement/)の活用です。このデータベースは、WTO政府調達協定・日EU経済連携協定・日英包括的経済連携協定の適用を受ける調達情報を一元的に検索できる政府指定のポータルです。国・独立行政法人・都道府県・政令指定都市の案件を横断的に検索でき、案件の種類・公告日・発注機関・キーワードで絞り込みが可能です。
公告期間は原則50日以上あるとはいえ、質の高い提案書を仕上げるには公告直後の情報入手が不可欠です。メールアラートやRSSフィードを活用して新着案件を自動取得する仕組みを構築しておくことをお勧めします。
海外企業の情報収集方法
WTOプロポーザルでは海外企業も競合になるため、海外市場の動向把握も有効な情報収集です。代表的な海外ポータルとして、EUの「TED(Tenders Electronic Daily)」、米国の「SAM.gov(System for Award Management)」があります。これらで海外企業の落札傾向を把握することで、国際的な競合の提案スタイルや価格水準を読み取ることができます。
国際展示会やカンファレンスへの参加も情報収集の有効な手段です。各国の政府関係者・調達担当者との交流や、潜在的なパートナー企業との出会いの場としても機能します。
過去の成功事例からの学び
情報公開制度を活用すると、過去の入札案件の評価結果や審査基準を入手できます。自社が参加した案件の評価コメントを分析することで、自社の提案が実際にどこで評価され、どこで競合に劣ったかを把握できます。
WTO対象案件の落札結果は公表されるため、自社と類似した規模・事業領域の企業がどのような案件で選定されているかを調査できます。発注機関との関係構築も重要で、入札説明会や事前相談に積極的に参加することで、書類だけでは得られない洞察を得ることができます。
入札情報サービスの効果的な利用方法
民間の入札情報サービスは、案件探しの効率を大きく高めます。「入札ネット+α」などのサービスでは、WTO対象案件を専用フィルターで抽出でき、条件に合った案件の公示をメールで自動通知する機能も備えています。
自社の事業領域に関連するキーワードをあらかじめリストアップし、検索条件として登録しておくと見落としを減らせます。過去の落札結果データベースを持つサービスでは、落札率・競合状況・価格傾向の分析も可能です。国際的な価格競争も考慮が必要なWTO案件では、過去の落札価格の傾向把握は価格戦略立案の基礎情報になります。
WTOプロポーザル参加後のフォローアップと契約管理

審査結果のフィードバック活用法
WTOプロポーザルへの参加は、結果がどうであれ次回の成功につながる経験の蓄積です。特に落選した場合は、フィードバック情報の入手と分析が次回への最短ルートになります。
情報公開制度を通じて、総合評価点・項目別得点・審査委員のコメント・改善提案などを入手することが可能です。WTO案件では評価プロセスの透明性確保の観点から、比較的詳細な情報が開示されることが多い点は覚えておくと役立ちます。フィードバックを得たら、低評価だった項目の理由を深掘りし、得られた知見を組織内で広く共有してください。
契約締結までの流れと注意点
落札者として選定されたら、契約内容の確認から始めます。仕様書・提案内容・契約条件の整合性を細部まで確認し、責任範囲・納期・支払条件に曖昧な点がないかをチェックします。
WTO案件では国際取引を前提とした法的留意点があります。知的財産権の取り扱い・紛争解決の方法・不可抗力条項・契約解除条件については専門家(弁護士や財務アドバイザー)の意見を得ながら慎重に検討してください。海外パートナーや外部協力企業との連携が必要な場合は、契約内容の共有と役割分担の確認を徹底します。
海外企業との契約時の留意事項
海外企業との直接契約やコンソーシアムでの契約が生じる場合、「準拠法と管轄裁判所の選定」はどの国の法律を適用し紛争をどこで解決するかを決める基本事項です。自社に有利な条件を目指しながら、相手側にも納得できる公平な合意を形成することが長期的な協力関係の基盤になります。
「支払条件と為替リスク」の対応では、支払通貨・支払方法・タイミングを詳細に規定します。為替変動リスクの負担方法や為替レートの基準日についても交渉ポイントとなります。場合によっては為替ヘッジや価格調整メカニズムの導入も検討してください。
次回参加への改善サイクル
継続的な成功には、参加ごとに振り返りと改善を行うサイクルを確立することが不可欠です。プロジェクトの終了後や節目ごとに参加メンバー全員で成功要因と課題を洗い出し、技術面・プロセス・チームワークの各観点から改善策を検討します。
過去の提案書・評価結果・契約書・プロジェクト記録を一元管理し、社内で共有・活用できる仕組みを整えてください。成功事例だけでなく失敗事例も含めて蓄積し、そこから得た教訓を次の提案に活かすナレッジマネジメント文化を組織に根付かせることが、長期的な競争力の源泉になります。
WTOプロポーザル参加前チェックリスト

WTOプロポーザルへの参加を検討し始めた段階から、提出直前まで確認すべき事項を段階別に整理します。
【案件発見・準備段階】
- 案件情報の詳細確認(基準額・対象範囲・スケジュール)
- 入札説明書・仕様書の徹底分析
- 参加資格の確認と必要な手続きの実施
- 過去の類似案件の調査と分析
- 競合他社(国内外)の動向分析
- プロジェクトチームの編成と役割分担の明確化
- 必要に応じた外部パートナー(海外企業含む)との連携体制構築
【提案書作成段階】
- 発注者のニーズと課題の明確化
- 基本コンセプトと差別化ポイントの決定
- 具体的な実施方法・プロセスの設計
- 実施体制・スケジュールの計画
- リスク管理計画の策定
- 適切な価格設定とその根拠整理
- SDGs・国際標準への対応検討
- 提案書の構成と論理展開の確認
- 図表・チャートなど視覚資料の効果的活用
- 必要に応じた多言語対応(英語版の準備など)
【最終確認・提出段階】
- 提案内容と仕様書要件の整合性チェック
- 記載事項の漏れ・ミスの確認
- 提出書類一式の確認(必要部数・形式)
- 提出方法・期限の最終確認
- プレゼンテーション資料の準備と練習
- 想定質問への回答準備
- 提出後のフォローアップ計画の確認
案件の性質や自社の状況に応じてこのリストをカスタマイズしてください。特にWTO案件では、通常の国内案件では重視されない国際的な対応要素を確実に盛り込むことが重要です。
まとめ:WTOプロポーザル成功のための戦略的アプローチ

WTOプロポーザルで選定されるためには、基本的な理解から情報収集・書類作成・審査対策・フォローアップまで、一連のプロセスを戦略的に組み立てることが必要です。
成功のポイントを3点に絞るとすれば、第1は「正確な案件理解と早期の情報入手」です。政府公共調達データベースや入札情報サービスのアラート機能を活用し、公告直後に動き出せる体制を整えることが第一歩です。
第2は「自社の強みを言語化し、発注者の課題に結びつける提案力」です。国際競争の場では「よい仕事をする企業」というだけでは不十分で、「なぜ自社でなければならないか」を具体的に示すことが求められます。
第3は「参加経験を組織の財産として蓄積する仕組み」です。1回の結果に一喜一憂せず、フィードバックを次の提案に活かし、提案力を継続的に高めていく姿勢が、WTOプロポーザルでの長期的な競争優位につながります。
WTOプロポーザルへの参加準備や提案書作成にお困りの場合は、debono.jpまでお気軽にご相談ください。企画・提案支援の実績をもとに、貴社の課題に即したサポートをご提供します。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。



