公募型プロポーザルに1社しか応募がなかった場合の対応とは?成立要件と運用例を解説

公募型プロポーザルに1社しか応募がなかった場合の対応とは?

公募型プロポーザルに応募を検討した、もしくは発注者として公募を実施したとき、「応募が1社しかなかった場合はどうなるのか」という疑問はよくあります。「他に競争相手がいないなら成立しないのでは」「再公募するべきか」と判断に迷う場面が少なくありません。

結論から言えば、適正な手続きを経ていれば、応募が1社のみでも公募型プロポーザルは成立可能です。ただし、形式的な公募と疑われないよう、発注者・応募者ともに押さえておくべき実務ポイントがあります。本記事では、法的根拠・自治体や国の運用例・実務での注意点を整理して解説します。

この記事のポイント

  • 1社応募でも成立可能:地方自治法施行令第167条の2に基づき、適切な手続きであれば随意契約として契約締結できる
  • 発注機関ごとに運用が異なる:京都市・葛飾区などは「1社でも成立」と明文化。一方で再公募を行う自治体もある
  • 透明性確保が最重要:「形式的な公募ではないか」との疑念を避ける措置(公告期間・周知方法の記録・審査基準の事前公表)が不可欠

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目次

公募型プロポーザルに1社しか応募がない場合の基本ルール

公募型プロポーザル方式は、業務の企画・提案を広く一般に募り、最も優れた提案を行った事業者と契約を結ぶ方式です。応募が複数あれば、その中から審査により選定者を決定します。では、応募が1社しかなかった場合はどうなるのでしょうか。

多くの自治体・国の機関では、応募が1社のみであっても提案内容の審査を通常通り実施し、参加資格と最低基準を満たしていれば選定する運用が一般的です。これは「公募を経た上で1社しか手を挙げなかった」という事実が、競争性が確保された結果であると整理されるためです。

ただし、自治体によっては「応募が1社の場合は再公募を行う」「予定価格に対する妥当性を別途審査する」などの追加対応を定めているケースもあります。発注機関の公募要領・プロポーザル方式運用ガイドラインを必ず確認することが重要です。

1社応募でも成立する法的根拠と仕組み

公募型プロポーザル方式によって選定された事業者との契約は、地方自治法施行令第167条の2第1項に基づく随意契約の一形態として位置づけられています。具体的には、性質または目的が競争入札に適さない契約として、公募手続きを経て選定した事業者と随意契約を結ぶ運用です。

国の機関でも、国土交通省が「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」(平成27年11月策定・令和5年3月一部改定)において、プロポーザル方式の運用基準を整備しています。このガイドラインは建設コンサル業務向けですが、自治体実務でも参考にされることが多い基準書です。

論点 1社応募での原則的な扱い
契約方式 公募手続きを経た随意契約(地方自治法施行令第167条の2)
審査の実施 参加資格・提案内容を通常どおり審査
選定基準 事前に定めた最低基準を満たすか否かで判断
不成立となるケース 最低基準未達/資格要件不適合/予定価格を著しく上回るなど

自治体・国の運用例

京都市:応募が1社のみでも審査・選定を実施

京都市の公募型プロポーザル事例では、「応募者が1社のみであってもプロポーザルが成立することとし、審査及び選定を行う」と明示されています。事前に定めた評価基準を満たせば、優秀提案者として選定される運用です。

葛飾区:監査報告書で1社応募の扱いを明文化

葛飾区は平成30年度の行政監査報告書「プロポーザル方式による契約について」において、広く公募したにもかかわらず1社しか応募がなかった場合の扱いを整理しています。資格を満たし、提案内容が一定水準以上を満たしている場合は優秀提案者と判定するケースが認められています。

大阪市:公募型プロポーザル方式ガイドラインで運用整理

大阪市は令和4年3月策定の「公募型プロポーザル方式ガイドライン」で、公募から選定までの一連の手続きを整理しています。応募が1社の場合でも、評価委員会で提案内容を審査し、選定可否を判断する流れが規定されています。

国土交通省:建設コンサル業務のプロポーザル運用基準

国交省のガイドラインでは、技術提案書の評価を行ったうえで最も優れた提案者を特定する手続きが整理されており、応募者数の多寡だけでは成立可否を判断しない運用が示されています。

1社応募の場合に発注者側が取るべき対応

応募が1社しかなかった場合に最も警戒すべきは、「実質的に随意契約だったのではないか」「形式的な公募だったのではないか」という監査・住民からの疑念です。発注者側は以下の点を記録・公表しておくと、後の説明責任が果たしやすくなります。

  • 公告期間と周知方法の記録:自治体ウェブサイトでの公告日数・告知範囲・問い合わせ件数を記録する
  • 参加資格の妥当性:参加資格が過度に限定的ではなかったか、複数事業者が実質的に参加可能だったかを確認する
  • 審査基準の事前公表:評価項目・配点・最低基準を公告時に明示しておく
  • 評価委員会の独立性:外部有識者を含む評価委員で審査を行う
  • 提案内容の最低水準確認:1社であっても提案が事前基準を満たしているかを厳格に確認する

応募側が「自社1社のみ」と分かったときの戦略

応募者側として「自社しか応募していなさそうだ」と感じる場面もあります(説明会出席者数・現地見学会の参加状況から推測できる場合があります)。1社応募が予測される状況でも、提案書の質を落とすべきではありません

  • 最低基準を確実にクリアする:1社応募でも基準未達なら不成立になる。事前公表された評価項目・最低点を漏れなくカバーする
  • 価格の妥当性を示す:1社のみだと「価格競争が働かなかった」と見られやすい。積算根拠を明示し、相場と整合する金額で提示する
  • 提案の独自性を強調する:審査員が「他社と比べる対象」がない中で、提案の差別化要素・実績・実施体制の優位性を明確に書く
  • 採択後の透明性に協力する:契約後に住民・議会から説明を求められた場合に発注者が説明しやすいよう、提案書を充実させる

よくある質問(FAQ)

Q1. 1社応募の場合、再公募される可能性はありますか?

発注機関の運用次第ですが、最低基準を満たす提案であれば再公募せずに選定する自治体が多数派です。公募要領や運用ガイドラインで「1社の場合は再公募」と明文化している機関もあるため、事前確認が重要です。

Q2. 1社応募で落選することはありますか?

あります。事前に定めた最低基準(評価点の合計)に達しない場合、参加資格の確認で不適格と判定された場合、予定価格を著しく上回る提案だった場合などは不成立となります。

Q3. 1社しか応募がなかった理由を発注者は把握すべきですか?

はい。次回以降の公募改善のためにも、応募が伸びなかった原因(公告期間・参加資格・業務難易度・スケジュール)を整理することが望まれます。

Q4. 入札と違って価格競争が働かない点に問題はありませんか?

プロポーザル方式は「価格よりも提案内容の質を重視する」方式のため、価格競争の不在自体は問題ではありません。ただし、提案された価格が相場とかけ離れていないか別途確認することが望ましい運用です。

まとめ

公募型プロポーザルにおいて応募が1社のみであっても、適正な公募手続きを経ており提案内容が事前基準を満たしていれば、原則として成立し契約締結が可能です。地方自治法施行令第167条の2を法的根拠とし、京都市・葛飾区・大阪市・国土交通省など複数機関で運用例が整理されています。

  • 応募が1社でも成立可能。ただし最低基準を満たすことが条件
  • 発注者は公告期間・参加資格・審査基準を記録・公表し、透明性を確保する
  • 応募側は1社応募でも提案書の質を落とさず、価格の妥当性と提案の独自性を示す

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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