プロポーザルの選定結果はどこまで公表される?評価点と開示の範囲

プロポーザルの選定結果はどこまで公表される?評価点と開示の範囲

プロポーザルに応募して選ばれなかったとき、手元に残るのは短い通知書だけ、ということがあります。何点だったのか、どこで差がついたのか、相手は何点だったのか。次に生かすにはこの情報が要るのに、通知だけでは分かりません。実際には、公表される情報も、請求すれば得られる情報もあります。この記事では、選定結果がどこまで明らかになるのか、どう確認すればよいのかを整理します。

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目次

選定結果の公表とは

プロポーザルで候補者が決まったあと、その結果を発注機関が公にすることを指します。公表する義務が法令で一律に定められているわけではありませんが、公金を使って事業者を選ぶ以上、手続きの透明性を示す必要があるため、多くの発注機関が要綱や基準を設けて公表しています。

考え方の基本は原則公開です。犬山市の基準では、プロポーザル方式による候補者選定に関する情報は原則として公開するとしたうえで、条例の非公開事由に当たる部分だけを非公開にできると定めています。何を隠すかを個別に判断するのであって、出さないことが前提ではないという立て付けです。

価格だけで決まる入札と違い、プロポーザルでは人が提案を読んで点を付けます。だからこそ、どういう基準でどう評価したのかを示す必要が強く意識されます。審査の仕組みはプロポーザルの選定委員会とはで扱っています。

公表される内容

選定された事業者

候補者として選ばれた事業者の名称は、ほぼ確実に公表されます。あわせて業務名、契約の予定金額、選定の方式が示されるのが通例です。次点の事業者まで公表する発注機関もあります。

応募者の数

何社が参加表明をし、何社が提案書を提出したかが示されます。名称までは出さず数のみとする例が多く見られます。応募が一社だった案件かどうかが分かるため、次に同種の案件が出たときの判断材料になります。

評価項目と配点

何をどれだけの点で見たのかという枠組みです。これは公募の段階で評価基準として配布されていることが多く、結果の公表でも改めて示されます。葛飾区の基準では、評価項目と配点は公開する扱いとされています。

一方で、各項目をどう採点するかという細かな採点基準については、扱いが分かれます。葛飾区の例では、採点基準は契約締結後に公開するとされています。事前に出すと、基準に合わせた体裁だけの提案を招くという考え方があるためです。

評価点と順位

最も知りたい部分であり、最も扱いが分かれる部分です。選定された事業者の総得点のみを示す例、全応募者の総得点を順位とともに示す例、項目ごとの点数まで示す例があります。事業者名を伏せて「A社」「B社」と記号で示す形も多く見られます。

木津川市の情報公開基準では、評価結果について契約締結の前後いずれにおいても部分開示とする区分が示されています。全部は出さないが、一定の範囲は示すという扱いです。

選定委員の氏名

審査の前には公表せず、結果とあわせて明らかにする扱いが一般的です。審査前に公表すると応募者が委員に接触する機会を与えてしまうためで、終わってから示すことで透明性と公正の両方を保っています。氏名まで出さず、所属や肩書きのみを示す例もあります。

選定の理由・講評

なぜその提案を選んだのかを文章で示すものです。「業務の進め方が具体的で実現性が高い」といった記述が数行書かれます。発注機関によっては公表しないこともありますが、記載があれば提案の方向性を読み取る手がかりになります。選ばれなかった提案への講評まで示す例は少ないものの、選定理由の裏返しとして自社に足りなかった観点を推し量ることはできます。

自分への通知と全体の公表は別

混同されやすい点ですが、応募者が受け取る通知と、誰でも見られる公表は別のものです。

項目応募者への通知一般への公表
届く相手応募した者だけ誰でも閲覧できる
方法書面またはメール公式サイトへの掲載
自社の評価示される例が多い記号で示されることが多い
他社の評価示されないことが多い範囲内で示される

横浜市の実施要領では、特定・非特定にかかわらず各提案者の評価結果をその提案者に通知するとされています。選ばれなかった場合でも、自社がどう評価されたかは手元に届くということです。通知の見方はプロポーザルの特定・非特定とはで扱っています。

通知に点数が書かれていない場合でも、要領に定められた手続きで理由の説明を求められる仕組みが置かれていることがあります。請求できる期間が短く定められているのが通例なので、通知を受け取ったら要領の該当箇所をすぐ確認してください。

公表のタイミング

契約の締結を境に、出される情報の範囲が変わるのが一般的です。

締結の前は、範囲が限られます。候補者との交渉が続いている段階で詳細を出すと、交渉に影響が及ぶおそれがあるためです。候補者が決まったことと、その名称だけを先に示す形が多く見られます。

締結の後は、範囲が広がります。葛飾区の例で採点基準を契約締結後に公開するとされているように、交渉が終われば影響の懸念が消えるという考え方です。結果が気になる案件は、締結の時期を見計らってもう一度公告のページを確認すると、情報が増えていることがあります。

掲載される場所は、発注機関の公式サイトにある入札・契約情報のページが基本です。ただし、公告と同じ場所に結果が並ばず、所管課のページに掲載されることもあります。公告を見つけたときに掲載先を控えておくと、後で探す手間が省けます。

情報公開請求という手段

公表されている範囲で足りない場合、情報公開請求という方法があります。自治体の情報公開条例に基づき、保有している文書の開示を求める制度です。応募した当事者でなくても請求できます。

対象になり得るのは、選定委員会の議事録、評価の採点表、提案書そのものなどです。ただし、すべてが出てくるわけではありません。法人の技術上・営業上の情報であって公にすると正当な利益を害するおそれがあるもの、個人に関する情報は、不開示とされるのが通例です。

葛飾区の基準では、非公開にできるのは公表すると今後の事業選定に支障が生じることが明確な事項に限るとされています。漠然とした懸念では伏せられないという考え方です。実際に請求してみると、全体が黒塗りではなく、一部を伏せた形で開示されることが少なくありません。

請求には手続きと時間がかかります。申請書の提出、開示の可否の決定、開示の実施という流れで、決定までに二週間程度を要するのが一般的です。他社の提案書を請求する場合、その他社に意見を聞く手続きが入り、さらに時間がかかります。自社の提案書に関する情報であれば、まず発注者に直接尋ねるほうが早いこともあります。

結果をどう次に生かすか

点差の大きさを見る

総得点の差が僅差だったのか、大きく離されたのかで、次の打ち手が変わります。僅差であれば提案の作り込みで逆転できる余地がありますが、大きく離れているなら体制や実績といった土台の部分に課題があるかもしれません。

どの項目で負けたかを特定する

項目ごとの点数が分かれば、弱点がはっきりします。実績の項目で差がついたのであれば提案の書き方では埋まりませんが、実施方針や工程の項目であれば次回の改善で変えられます。配点の重い項目で落としていないかを特に見てください。

選ばれた提案の傾向を読む

講評が公表されていれば、発注者が何を評価したのかが分かります。同じ発注機関の次の案件でも、似た観点が重視される可能性があります。複数の案件の講評を集めると、その発注機関の好みが見えてきます。

記録として蓄積する

案件名、応募者数、自社の得点と順位、選ばれた事業者、気づいた点を一覧にしておきます。何件か溜まると、勝てている分野と勝てていない分野の傾向が見えます。次にどの案件を狙うかの判断が、感覚ではなく記録に基づくものになります。同じ発注機関の案件を続けて受けている場合は、前回の結果と比べて改善できたかどうかも確認できます。

非公開とされる主な事項

原則公開といっても、すべてが出るわけではありません。伏せられるのは次のような情報です。

  • 法人の技術上・営業上の情報——提案書に書かれた独自の手法や、原価の内訳など。公にすると正当な利益を害するおそれがあるものが該当します
  • 個人に関する情報——配置予定技術者の氏名や経歴、応募者の担当者名などです
  • 委員個人の採点——誰が何点を付けたかを明らかにすると、自由な評価が妨げられるという理由で伏せられることがあります
  • 今後の選定に支障が出る事項——同じ基準を次年度も使う場合の細かな採点の目安などです

このうち、委員個人の採点をどう扱うかは発注機関によって差があります。委員ごとの点数を記号で示して合計との関係が分かるようにする例もあれば、合計のみを示す例もあります。

なお、非公開の判断は請求のたびに行われます。同じ種類の文書でも、案件の性質によって結論が変わることがあります。ある自治体で開示された内容が、別の自治体では伏せられるということも起こります。

公表された結果の読み方

公表資料を開いたら、次の順で見ていくと必要なことが取れます。

  1. 応募者数——競争の激しさが分かります。一社しか応募がなければ、次回は狙い目かもしれません
  2. 満点と自社の得点の比——何割取れたかで、提案の完成度が測れます
  3. 一位との差——僅差か大差かで次の打ち手が変わります
  4. 項目ごとの配点と得点——配点の重い項目で落としていないかを確認します
  5. 選定理由の文言——発注者が何を評価したのかが表れます

得点だけを見て落ち込むより、配点に対する取りこぼしの場所を特定するほうが有益です。満点の七割を取れていても、配点の重い項目で半分しか取れていないのであれば、そこが次の改善点になります。

よくある質問

他社の得点は分かりますか

公表の範囲によります。事業者名を伏せた形で全応募者の得点を示す例があり、その場合は自社以外の点数も分かります。公表されていない場合、情報公開請求という手段がありますが、全部が開示されるとは限りません。

結果が公表されていない案件があるのはなぜですか

公表の義務が法令で一律に定められていないため、発注機関や案件によって運用が異なります。金額が小さい案件では公表を省く扱いもあります。気になる場合は所管課に問い合わせてください。

自社の提案書が他社に見られることはありますか

情報公開請求の対象になり得ます。ただし、技術上・営業上の情報として正当な利益を害するおそれがある部分は伏せられるのが通例です。開示の判断にあたって応募者に意見を聞く手続きを設けている発注機関もあります。提案書の扱いはプロポーザル提案書の著作権で扱っています。

結果はいつごろ公表されますか

候補者が決まった直後に名称だけを示し、契約の締結後に詳しい内容を追加する流れが一般的です。公募要領のスケジュールに選定結果の公表時期が書かれていることが多いので、応募の段階で確認しておくと見逃しません。

結果に納得できない場合はどうすればよいですか

まず要領に定められた手続きで理由の説明を求めてください。それでも疑問が残る場合、さらに申し立てる仕組みを設けている発注機関もあります。ただし、要領に沿って手続きが行われていれば、評価の中身そのものを覆すことは難しいのが実情です。

まとめ

プロポーザルの選定結果は、公表する義務が法令で一律に定められているわけではないものの、多くの発注機関が要綱や基準を設けて原則公開の立場を取っています。公表されるのは、選定された事業者、応募者の数、評価項目と配点、評価点と順位、選定委員の氏名、選定の理由や講評です。評価点の扱いは発注機関によって幅があり、事業者名を伏せた形で示されることもあります。応募者が受け取る通知と一般への公表は別のもので、選ばれなかった場合でも自社の評価結果は通知されるのが通例です。契約の締結を境に出される情報の範囲が広がるため、締結後にもう一度確認する価値があります。公表の範囲で足りなければ情報公開請求という手段がありますが、技術上・営業上の情報や個人に関する情報は伏せられます。得られた情報は、点差の大きさ、負けた項目、選ばれた提案の傾向という観点で整理し、記録として蓄積してください。関連してプロポーザルの評価基準とは、優先交渉権者とはもあわせてご覧ください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

※本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。公表の範囲や情報公開の扱いは発注機関ごとの要綱・条例によります。具体的な内容は各発注機関が公表する資料をご確認ください。

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