中小企業のDX推進|現状・課題・成功企業の共通点を徹底解説

この記事のポイント
  • 中小企業のDX推進への取り組み(検討含む)は42.0%と前回比10.8ポイント増加する一方、DXを「知らない」企業も15.2%に増加しており、積極的な企業とそうでない企業の二極化が加速している。しかし取り組んだ企業の81.6%が成果を実感しており、適切なアプローチを取れば中小企業でも確実に成果を出せることが明らかだ。
  • 従業員規模によって課題は大きく異なる。20人以下の小規模企業では「予算の確保が難しい」(26.4%)と「具体的な効果や成果が見えない」(22.2%)が上位課題だ。21人以上の企業ではIT人材不足(32.9%)とDX推進人材不足(33.5%)という人材面の課題が深刻化している。自社の規模に応じた戦略が成功の前提条件となる。
  • 成果を出している中小企業には4つの共通点がある。経営層・IT部門・業務部門の協調体制(成果あり企業の約6割が実施)、外部企業や専門家との連携による人材不足の補完、小規模から始める段階的アプローチ、そしてアナログデータのデジタル化による早期の成果獲得だ。
  • 地域別では東京が「予算面」、地方が「人材不足と企画立案」という異なる課題を抱えており、地方の企画立案に関する課題は東京の約4倍に達している。一方、今後のDX推進意欲は地方の方が25.5ポイント高く、適切な支援があれば地方企業のDX推進が加速する可能性がある。
  • DX推進の資金面では、補助金・助成金への期待が41.6%と最も高い。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金、最大450万円)やものづくり補助金(最大2,500万円)などを活用することで予算制約を克服できる。「現状把握→課題特定→支援策活用→人材育成→段階的推進」の5ステップで取り組むことで、中小企業でも確実にDX推進を前に進めることが可能だ。

中小企業のDX推進は、企業の競争力を左右する重要な経営課題だ。しかし、独立行政法人中小企業基盤整備機構が2024年12月に公表した最新調査によると、DXに既に取り組んでいる中小企業はわずか18.5%にとどまり、理解度も49.2%と約半数という実態が明らかになった。

本記事では、全国1,000社を対象とした「中小企業のDX推進に関する調査(2024年)」のデータをもとに、従業員規模・地域によって異なる課題の実態と、DXに取り組んだ企業の81.6%が成果を実感している理由を詳しく解説する。補助金活用や外部連携など、限られたリソースでも実践できる具体的な解決策と、今日から着手できる5つのステップも紹介する。

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目次

中小企業のDX推進に関する調査とは|最新版の概要と調査目的

中小企業基盤整備機構による最新調査の背景

独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業のDX推進状況を継続的に把握するため、定期的に全国規模の調査を実施している。2024年12月に公表された最新調査は、前回(2023年8月実施)で「認知度は高まっているが大半は途上段階」という結果を受けて実施されたものだ。

この調査の背景には、日本企業の99%以上を占める中小企業のDX推進が、日本経済全体の競争力に直結するという認識がある。人口減少・少子高齢化が進む中、中小企業がデジタル技術で業務効率化や生産性向上を実現することは、企業の持続的成長だけでなく、日本全体の労働生産性向上にも不可欠だ。

調査対象と実施方法|1,000社から見る実態

最新調査は、全国の中小企業経営者および経営幹部(個人事業主を除く)1,000社を対象に、2024年10月29日〜11月5日の期間でWebアンケート形式にて実施された。調査内容は、DXへの理解度・取り組み状況・進捗段階・直面している課題・期待する支援策など多岐にわたる。

特に注目すべき点は、従業員規模を20人以下と21人以上に分けたクロス分析を行っている点だ。小規模企業と比較的規模の大きな中小企業では直面する課題が異なることが明確になり、規模に応じた支援策の検討が可能になる。

前回調査との比較で見えてきた変化

今回の調査では、前回(2023年8月実施)との比較分析が行われており、DX推進の進展を時系列で把握できる。最新調査では、「既に取り組んでいる」「取り組みを検討している」企業が合わせて42.0%と、前回から10.8ポイント増加した。一方で「取り組む予定はない」企業も30.9%存在し、積極的な企業とそうでない企業の二極化が進んでいる。

また、DXに取り組んでいる企業の中でもデジタイゼーション(アナログデータのデジタル化)段階に留まる企業が35.7%と最も多く、真の意味でのビジネス変革まで到達している企業は28.1%にとどまっている。

DX理解度は49.2%|中小企業の認知状況と二極化の実態

「理解している」企業は約半数|前回調査との比較

中小企業基盤整備機構の2024年調査によると、DXについて「理解している」または「ある程度理解している」と回答した企業は49.2%と、全体のほぼ半数に達した。これは前回調査(2023年)の49.1%とほぼ横ばいで、数字の上では停滞しているように見える。しかし内実を見ると、理解の深まり方に大きな差が生じている。

従業員規模が多い企業ほど理解度が高い傾向は依然として続いており、小規模企業では日々の業務に追われてDXについて学ぶ時間が確保できない実態がある。

「知らない」企業が15.2%に増加|二極化が進む背景

興味深いのは、DXを「知らない」と回答した企業の割合が前回調査の6.7%から15.2%へと大幅に増加している点だ。DXの認知度が全体として高まる中で、「知らない」企業が増えるという矛盾した結果が示すのは、積極的な企業と無関心な企業との二極化が急速に進んでいることだ。

都市部では行政や金融機関によるDX支援セミナーの機会が増えている一方、地方では情報・サポートへのアクセスが限られている。DXに関する情報に日常的に触れる企業と全く触れない企業の間で認知度の差が拡大し、「知っている企業」と「知らない企業」の分断が進行している。

理解度向上のために必要な取り組み

中小企業のDX理解度を向上させるには、抽象的な概念としてではなく、自社の業務に即した具体的な取り組みとして理解できる支援が重要だ。同業種・同規模の企業の成功事例を紹介することで、「自社でもできる」という実感を持ってもらうことが効果的な第一歩になる。

経営者層へのアプローチも欠かせない。中小企業では経営者の意思決定が組織全体に大きな影響を与えるため、経営者自身がDXの必要性と可能性を理解することが出発点となる。商工会議所や金融機関を通じた情報提供など、経営者が気軽に学べる機会を増やすことが求められる。

取り組み状況は18.5%|中小企業のDX推進の進捗実態

既に取り組んでいる企業は2割未満という現実

2024年調査によると、DXに「既に取り組んでいる」と回答した中小企業はわずか18.5%にとどまった。前回調査の14.6%からは3.9ポイント上昇しているものの、依然として2割に満たない。理解度が約半数に達している一方で、実際の行動に移せている企業は限定的であり、理解と実践の間に大きなギャップが存在する。

「取り組みを検討している」企業を加えると42.0%となり、何らかの形でDXに関心を持つ企業は増加傾向にある。しかし検討段階から実行段階への移行が最大の壁となっており、「必要性は感じているが一歩が踏み出せない」という状況が多くの企業で続いている。

「取り組む予定はない」が30.9%|その理由とは

「取り組む予定はない」と回答した企業は30.9%存在する。前回調査の37.2%からは6.3ポイント減少したものの、依然として3割の企業が消極的な姿勢を示している。取り組まない理由を詳しく見ると、「具体的な効果や成果が見えない」が23.9%で最多、「予算が不足している」が23.6%と続いている。

「何から始めてよいかわからない」も27.2%に上る。特に小規模企業では社内にIT・デジタルに詳しい人材がおらず、相談できる相手が見つからないというケースが少なくない。経営者のDXへの理解とコミットメントの有無が、企業全体の取り組みを左右する重要な要素であることも、このデータが裏付けている。

デジタイゼーション段階で停滞する約4割の企業

DXに取り組んでいる企業の進捗状況を見ると、デジタイゼーション段階(アナログ作業・データのデジタル化)に留まる企業が35.7%と最も多い。デジタライゼーション段階(個別業務プロセスのデジタル化)は28.6%、デジタルトランスフォーメーション段階(ビジネスモデル・企業文化の変革)は28.1%だ。

この停滞の背景には、初期段階でも一定の効果が得られるため、それ以上の投資に踏み切れないという事情がある。実際にDXに取り組んでいる企業の81.6%が「成果が出ている」または「ある程度成果が出ている」と回答しており、デジタイゼーション段階でも業務効率化・コスト削減という効果は実感できる。しかし真の競争優位の確立には、さらなる投資と継続的な取り組みが必要だ。

従業員規模別の課題|20人以下と21人以上で何が違うか

20人以下の小規模企業:「何から始めるか」が最大の壁

2024年調査では、従業員規模20人以下の企業における最大の課題として「予算の確保が難しい」が26.4%で最多となった(前回調査では「何から始めてよいかわからない」が最多だったが、9.0ポイント改善されて18.7%に低下)。ただし取り組む予定がない企業に限ると「何から始めてよいかわからない」が依然として高い割合を示している。

小規模企業では、経営者自身が営業や製造など実務の最前線に立つケースが多く、DXについて学んだり計画を立てたりする時間を確保することが困難だ。DX投資への予算が500万円未満の企業が約4割を占めており、確実な効果が見込めない限り投資判断ができないのが実情となっている。

「具体的な効果や成果が見えない」という回答も22.2%に達している。自社と同規模・同業種の企業が、例えば「請求書作成の時間が半分になった」「在庫管理ミスがゼロになった」といった具体的な改善を実現した事例を知ることが、この不安を解消する最も有効な手段だ。

こうした課題に対応するには、IT導入補助金などの公的支援制度の活用と、低コストで導入できるクラウドサービスからのスモールスタートが有効だ。商工会議所や地域金融機関など身近な相談窓口を活用することで、最初の一歩を踏み出すハードルを大幅に下げることができる。

21人以上の中規模企業:人材不足が経営課題の中心に

従業員規模21人以上の中小企業では、IT人材不足(32.9%)とDX推進人材不足(33.5%)という人材面の課題が深刻化している(いずれも前回調査から約8ポイント改善しているが、依然として3社に1社が悩む状況)。

IT人材不足の背景には、日本全体でのデジタル人材の絶対的な不足がある。経済産業省の推計では2030年に約79万人のIT人材が不足するとされており、大企業と比較して給与水準や福利厚生で見劣りする中小企業は人材獲得競争で不利な立場に置かれている。

DX推進人材は単なるIT技術者とは異なり、デジタル技術の知識に加えてビジネス戦略の立案能力や組織を巻き込むリーダーシップなど複合的なスキルが求められる。そのため、外部採用より社内育成にシフトする企業が多く、IPAの「DX白書2023」でも社内人材の育成を選ぶ企業が54.9%と過半数を占めている。

また、情報セキュリティの確保を課題として挙げた企業が14.0%(前回比3.4ポイント上昇)となっている点も見逃せない。DXの進展でサイバー攻撃のリスクが高まる中、専門知識を持つ人材の不足が対策を困難にしている。IPAの2024年調査では「社内に専門知識を持った人材がいない」が44.7%と最大の課題として挙げられており、外部の専門サービス活用や社内セキュリティ教育の強化が急務だ。

DX推進で成果を出している中小企業の4つの共通点

2024年調査では、DXに取り組んでいる中小企業の81.6%が何らかの成果を実感している。この高い成功率は偶然ではなく、成果を出している企業には明確な共通点が存在する。

共通点1|経営層・IT部門・業務部門の協調体制

成果を出している中小企業の最大の特徴は、経営層がリーダーシップを発揮し、IT部門と業務部門が密接に連携している点だ。IPAの調査によれば、DX成果ありの企業では「経営者・IT部門・業務部門の協調」を実施している割合が約6割に達しており、DX取組なしの企業の約2割と大きく差が開いている。

例えば、従業員20名の食品製造業A社では、社長自らDX推進プロジェクトのオーナーとなり、製造現場のリーダーと情報担当スタッフが週1回の合同ミーティングを実施した。現場が「この受発注の入力が毎日1時間かかっている」という課題を共有し、IT担当が適切なツールを選定することで、導入後3ヶ月で対象業務の工数を70%削減することに成功している。部門間の壁を越えた連携がDX推進の成否を決める。

共通点2|外部企業や大学との連携による人材不足の補完

中小企業では社内にDX推進に必要な専門人材が不足しているケースが一般的だが、成果を出している企業はこの課題を外部との連携で解決している。ITベンダー・コンサルティング会社との協業、地域大学の研究室との共同プロジェクト、業界団体を通じた情報共有などが代表的な手段だ。

重要なのは、外部専門家に丸投げせず、社内の担当者と密接に協働して知識を蓄積することだ。将来的な内製化を見据えた体制を構築することで、外部依存から脱却し、継続的なDX推進が可能になる。

共通点3|小規模から始める段階的アプローチ

成果を出している企業はスモールスタートで始め、成功体験を積み重ねながら徐々に範囲を拡大している。「超着手小局」とも言えるこのアプローチは、リスクを抑えながら経営層の理解を得るための最も確実な方法だ。

例えば営業部門だけ、特定の製品ラインだけという限定的な範囲で始め、3〜6ヶ月後に成果を数値で示すことで、次の段階への投資判断が経営層から得やすくなる。成功している企業では「1つの部門で成功したら、次の部門へ」というサイクルを繰り返しながら、全社的なDX推進へと発展させている。

共通点4|アナログデータのデジタル化で早期に成果を確保

中小企業のDX推進において、最も基本的かつ効果的な取り組みがアナログ・物理データのデジタル化だ。従業員100人以下の中小企業では、この基本的なDX施策で「十分な成果が出ている」という回答が企業全体平均を上回っており、規模が小さいからこそデジタル化の効果が実感しやすいことを示している。

紙の書類・帳票のクラウド管理化、手作業データ入力の自動化、ペーパーレス承認フローの導入といった取り組みは、比較的低コストで始められる。現在では月額数千円から導入できるクラウドサービスも豊富に存在し、IT導入補助金を活用すれば初期投資の負担をさらに軽減できる。デジタル化によって蓄積されたデータを分析し、意思決定に活用することで、次のステップへの足掛かりとなる。

補助金・助成金の活用|中小企業のDX推進を後押しする主要制度

2024年調査では、DX推進に向けて期待する支援策として「補助金・助成金」が41.6%と最も高い割合を示した(前回2023年調査の49.3%からは7.7ポイント減少したものの、依然として4割以上の企業が資金面での支援を求めている)。

DX推進には、ITツールの導入費用・システム開発費・人材育成のための研修費など多額の初期投資が必要になる。活用できる制度を把握し、戦略的に組み合わせることが予算制約を克服する最短ルートだ。

中小企業が活用すべき主要補助金の比較

以下の3つの制度が、中小企業のDX推進において特に活用しやすい補助金だ。

制度名補助上限額補助率主な対象経費特徴
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)最大450万円1/2〜4/5ITツール・クラウドサービス導入費・利用料(最大2年分)事前登録されたITツールから選択する必要あり。IT導入支援事業者を通じて申請
ものづくり補助金最大2,500万円(製品・サービス高付加価値化枠)1/2〜2/3機械装置・システム構築費・外注費など革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善が対象。大幅賃上げで補助上限額の上乗せあり
中小企業新事業進出補助金(事業再構築補助金の後継)制度詳細は公募要領を確認新規事業への進出に係るシステム開発・設備投資既存事業の改修は対象外。新たなビジネスモデル構築を目指す企業向け

なお、IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」として名称が変更されており、AI機能を有するITツールの活用がより重視される設計になっている。最新の公募情報・補助率は必ず公式サイトで確認すること。

専門家派遣制度の活用が増加傾向

2024年調査では、「専門家の派遣」を期待する企業が前回の13.0%から16.4%へと3.4ポイント上昇した。社内のみでDXを推進することの困難さを実感し、外部の専門知識を取り入れようとする企業が増えている表れだ。

各自治体・支援機関が提供するDX推進のための専門家派遣制度は、自社の状況に合わせたオーダーメイドの支援を受けられる点が最大のメリットだ。画一的なソリューションではなく、企業の規模・業種・経営課題に応じた具体的なアドバイスにより、無駄な投資を避け効果的なDX推進が可能になる。

補助金活用の3つの注意点

補助金を有効に使うためには、以下の3点を押さえておく必要がある。

  1. 後払い制度が基本:多くの補助金は先に自己資金で投資し、後から交付される仕組み。資金繰りの計画を先に立てること
  2. 申請書類の質が採択率を左右する:DXによってどの経営課題を解決し、どんな成果を達成するかを具体的に記述することが求められる。実績のある専門家のサポート活用も選択肢
  3. 制度を組み合わせて使う:補助金・専門家派遣・セミナー研修を組み合わせることで相乗効果が生まれる。例えば「セミナーで基礎知識を習得→専門家派遣でDX戦略を策定→補助金でITツール導入」という段階的なアプローチが効果的

地域別DX推進状況|東京と地方で異なる課題と対応策

東京の中小企業:予算面の課題が中心

東京の中小企業がDX推進で最も大きな課題として挙げるのは「予算」だ。大都市圏での事業展開には家賃・人件費などの固定費が高く、新たなデジタル投資に回す余裕が限られている。DXの必要性自体は理解しており、「どこにどれだけ投資すべきか」という優先順位付けに悩んでいるケースが多い。

東京の中小企業がこの課題を克服するには、段階的な投資計画の策定が重要だ。全社的な大規模投資ではなく、効果が見込める業務から小規模に始めることで、初期投資を抑えながら成果を確認できる。東京都の独自助成金制度も、予算制約の中でDXを進める手段として検討に値する。

地方の中小企業:人材不足と企画立案が東京の約4倍

地方の中小企業が直面する課題は、東京とは大きく異なる。「DX推進のための人材が不足しているから」が36.2%、「DX推進のアイデアや企画・戦略立案が難しいから」が32.5%と上位を占めており、特に企画立案に関する課題は東京版と比べて約4倍という結果になっている。

地方では、DXに精通した人材の採用自体が困難だ。優秀な人材は大都市圏に流出する傾向があり、社内にDX戦略を立案できる人材が不在のケースが多い。この課題に対しては、地域の金融機関・商工会議所・よろず支援拠点などが提供するDX支援サービスや専門家派遣制度の積極的な活用が鍵となる。他社の成功事例から始め、自社に適用できる部分を模倣しながら独自化していくアプローチが現実的だ。

地方の方がDX推進意欲は高い

興味深いのは、今後のDX推進意欲については地方の方が高いという点だ。DX予算を増加すると回答した地方中小企業の数は東京より10.1ポイント高く、「今後推進したい」という回答も25.5ポイント多い。現状の課題を認識し、DXの必要性を強く感じているからこそ生まれる意欲だ。この意欲を具体的な成果に結びつけるためには、地域特性に応じた適切な支援と戦略が求められる。

中小企業が今日から始められるDX推進5ステップ

これまでの調査データと課題を踏まえ、中小企業が実際にDX推進を始めるための具体的なステップを整理する。経済産業省が公表している「中堅・中小企業等向けデジタルガバナンス・コード実践の手引き」をベースに、中小企業の実情に合わせた進め方を5つのステップに落とし込んだ。

ステップ1|自社のDX理解度と現状を正確に把握する

DX推進の第一歩は、自社の現状を正確に把握することだ。経営層が「DXとは何か」を正しく理解することが不可欠で、DXは単なるIT導入やデジタル化ではなく、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革し競争優位性を確立することを指す。

現状把握では、まず業務プロセスを洗い出し、どの業務がアナログで行われているか、どこに非効率が存在するかを明確にする。紙ベースの承認フロー、手作業でのデータ入力、FAXでのやり取りなど、デジタル化できる業務を特定する。経営層だけでなく現場の従業員からも意見を集めることで、部門ごとの課題が可視化できる。

ステップ2|従業員規模に応じた優先課題を特定する

現状把握ができたら、自社の従業員規模に応じた優先課題を特定する。20人以下の小規模企業では「何から始めてよいかわからない」「予算確保が難しい」という課題が中心になるため、まず取り組みやすい業務から着手することが重要だ。紙の請求書・契約書のPDF化、承認フローのチャットツール移行、顧客情報のクラウド管理システム移行など、比較的低コストで始められる施策から実行する。

21人以上の中規模企業では、人材育成と並行してDX推進を進める戦略が必要だ。社内から推進リーダーを選定し、研修や外部セミナーへの参加機会を提供しながら、外部の専門家・ITベンダーとの協業体制を構築して社内に不足するスキルを補完する。

ステップ3|補助金・助成金などの支援策を調査し活用する

DX推進における予算確保は多くの中小企業にとっての課題だが、国・地方自治体の支援制度を積極的に活用することで制約を軽減できる。まずは自社の所在する自治体の最新情報と、国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)・ものづくり補助金の公募状況を確認することから始める。

どの補助金が自社に適しているかわからない場合は、「よろず支援拠点」や「IT経営サポートセンター」の無料相談サービスを活用することで、適切なアドバイスを受けることができる。

ステップ4|外部の専門家や研修を活用して人材を育成する

人材不足はDX推進の最大の課題の一つだが、外部リソースを積極的に活用することで補完できる。ITベンダーやコンサルティング会社との協業では、外部専門家に丸投げするのではなく、社内担当者と密接に協働し知識を社内に蓄積することが重要だ。

経済産業省の「みらデジ」などのオンラインプラットフォームや、地域の金融機関・商工会議所が主催するDX研修・セミナーを活用することで、基礎知識の習得とネットワーク構築を同時に進めることができる。

ステップ5|小さな成果を積み重ね段階的に推進する

成功している中小企業に共通するのは、スモールスタートで始め、成功体験を積み重ねながら徐々に取り組みの範囲を拡大している点だ。まずモデル部門や特定の業務を選定し、3〜6ヶ月程度の期間で成果を確認する。成功した施策を他の部門・業務に横展開していくことで、リスクを最小限に抑えながら全社的なDX推進へと発展させる。

PDCAサイクルを短期間で回し続けながら、小さな成功でも全社に共有することが大切だ。経営層がDX推進の重要性を繰り返し発信し、従業員の取り組みを評価・表彰することで、組織全体でDXに取り組む文化が育つ。

まとめ|調査データから見る中小企業DX推進の現在地と次の一手

中小企業基盤整備機構の「中小企業のDX推進に関する調査(2024年)」が示す現状を3点に整理する。

第一に、DX推進の二極化が加速している。DXへの取り組みを検討・実施している企業が42.0%に増える一方、「知らない」企業も15.2%に増加し、両極の分断が拡大している。第二に、取り組んだ企業の81.6%が成果を実感しており、適切なアプローチを取れば中小企業でも確実に成果を出せる。第三に、課題は従業員規模・地域によって異なり、20人以下では予算・効果の見えにくさが壁となり、21人以上では人材不足が深刻化している。

成果を出している企業の共通点は、経営層・IT・業務部門の協調体制、外部連携による人材不足の補完、スモールスタートの徹底、そしてアナログデータのデジタル化から始める基本に忠実なアプローチの4点に集約される。

補助金・助成金・専門家派遣・研修セミナーなど、中小企業が活用できる支援策は年々充実している。DX推進において重要なのは、完璧な計画を立ててから動き出すことではなく、現状を把握したうえで自社規模に合った最初の一手を打つことだ。

debono.jpでは、中小企業のDX推進支援を多数の企業に対して行ってきた実績をもとに、調査データの解説だけでなく、自社に合った具体的なDX戦略の策定と実行までをサポートしている。DX推進について相談したい場合は、以下のお問い合わせフォームからご連絡いただきたい。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

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