随意契約の金額上限とは?令和7年改正で50年ぶり引き上げ・自治体ごとの新基準

随意契約の金額上限とは?令和7年改正で50年ぶり引き上げ

自治体や官公庁の調達手続きで「随意契約の金額上限」を意識する場面は多くあります。少額の物品購入や工事は競争入札を経ずに随意契約で済ませられるため、この上限額(少額随意契約の基準額)は実務に大きな影響を与えます。

この基準額は令和7年(2025年)4月1日に約50年ぶりとなる大幅引き上げが実施されました。本記事では、改正後の新基準額・改正の背景・自治体別の対応状況・事業者として知っておくべき影響を整理して解説します。

この記事のポイント

  • 令和7年4月1日施行で約50年ぶりの大幅引き上げ:地方自治法施行令第167条の2第1項第1号が改正
  • 都道府県・政令市の新基準は工事400万円・物品買入300万円・委託等200万円:従来比で大幅増
  • 背景は物価高騰と事務効率化:従来基準では物価高で実勢価格と乖離・事務量が増大

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目次

随意契約の金額上限(少額随意契約の基準額)とは

地方自治体が随意契約を締結できる場合は地方自治法施行令第167条の2第1項に9号に限定されており、その第1号が「予定価格が政令で定める額を超えないとき」、いわゆる「少額随意契約」です。この「政令で定める額」が、実務で「随意契約の金額上限」と呼ばれている基準額にあたります。

基準額以下の契約であれば、競争入札を経ずに随意契約で発注できるため、官公庁の調達事務の負担を軽減し、事業者との迅速な契約締結を可能にしています。

令和7年改正による新基準額

令和7年(2025年)4月1日施行の改正により、都道府県・政令指定都市の少額随意契約の基準額は次のとおり引き上げられました。

契約種別 改正前 改正後(令和7年4月1日〜)
工事又は製造の請負 250万円 400万円
財産の買入れ(物品買入) 160万円 300万円
物品の借入れ 80万円 160万円
財産の売払い 50万円 100万円
物品の貸付け 30万円 50万円
前各号に掲げるもの以外のもの(委託・役務等) 100万円 200万円

市町村(都道府県・政令市以外)の基準額は上記の半額に近い金額で別途定められていますが、改正の方向性は共通しており、いずれも大幅な引き上げとなっています。

改正の背景:物価高騰と事務効率化

少額随意契約の基準額は、昭和49年(1974年)以降約50年間据え置かれてきました。総務省が公表した改正趣旨では、改正の背景として次の2点が挙げられています。

  • 物価高騰による実勢価格との乖離:建設資材・部材・人件費の上昇により、従来基準では「軽微な工事」「少額の物品買入」と評価される範囲が縮小していた
  • 事務効率化の必要性:地方自治体の人員減少・業務集中の中、競争入札手続きに要する事務負担が相対的に過大となっていた

これらを背景に、財務省・総務省の検討を経て令和7年4月の改正に至りました。

事業者として知っておくべき影響

少額随意契約の基準額引き上げは、入札・提案書作成支援を行う事業者にとって以下の影響があります。

1. 入札参加機会の変化

従来は競争入札の対象だった中規模工事・物品買入が、随意契約として処理される可能性が高まります。これにより、競争入札に依存していた事業者の受注機会は相対的に減少しうる一方、随意契約での発注ルートを持つ事業者にとっては優位な環境です。

2. 随意契約での見積競争への対応

少額随意契約でも、多くの自治体ガイドラインは「2社以上からの見積徴収」を原則としています。基準額引き上げにより見積競争の対象案件が拡大するため、迅速な見積提示と価格競争力が一層重要になります。

3. 受注実績の蓄積機会の増加

少額随意契約は事業者にとって「実績蓄積」「自治体との関係構築」の機会となります。基準額引き上げで対象案件が増えることは、新規参入事業者にとってチャンスでもあります。

自治体別の対応状況

政令改正を受け、各自治体は条例・規則の改正と運用基準の見直しを進めています。藤沢市・三浦市など、令和7年4月から新基準額を適用する旨を公式ウェブサイトで公表する自治体が相次いでいます。

事業者として対応する場合、取引先となる自治体の以下を確認しておくことが重要です。

  • 新基準額の適用開始時期(多くは令和7年4月1日だが、条例改正の事情で時期がずれる自治体もある)
  • 少額随意契約の運用ルール(見積徴収先数・選定方法)
  • 少額随意契約での参加資格要件(事前登録の要否)

少額随意契約で受注するための実務ポイント

  • 自治体の業者登録は事前に:少額随意契約でも、参加資格者名簿への登録を求める自治体が多い。登録手続きを早期に完了する
  • 見積依頼への迅速対応:少額随意契約は決定までのスピードが速い。見積依頼後数営業日以内に提出できる体制を整える
  • 適正価格の維持:他社見積もりと比較されるが、過度な値下げは長期的に経営を圧迫する
  • 担当者との関係構築:少額随意契約は担当者の見積依頼先選定が結果を左右する。日常的な情報提供・営業活動が有効

よくある質問(FAQ)

Q1. 少額随意契約でも入札公告は出ますか?

原則として公告は出ません。発注機関が事業者を直接選定し見積依頼を行うため、入札情報サイト等には掲載されないことが多いです。日常的な営業活動で情報を入手することが重要です。

Q2. 政令の改正後、自治体ごとに条例改正の時期が違うのはなぜですか?

政令で定める基準額は地方自治法施行令第167条の2で全国一律ですが、各自治体は会計規則・契約事務規則で運用方法を定めており、これらの改正には議会手続きが必要なため自治体ごとに時期がずれます。

Q3. 改正後の基準額は今後また引き上げられますか?

令和7年改正は約50年ぶりの大幅改正であり、当面の引き上げは想定されていません。ただし、物価動向や事務効率化の議論が再燃すれば再改正の可能性はあります。

まとめ

随意契約の金額上限(少額随意契約の基準額)は、令和7年4月1日施行の改正で約50年ぶりに大幅引き上げられました。都道府県・政令市の新基準は工事400万円・物品買入300万円・委託等200万円となり、地方自治体の調達事務と事業者の受注機会双方に大きな影響を与える改正です。

  • 改正の背景は物価高騰と事務効率化
  • 事業者は新基準を踏まえ、業者登録・見積即応体制・適正価格の維持を進める
  • 自治体ごとの条例改正状況を確認し、新基準の適用時期を把握する

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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