履行体制図とは?業務委託での提出と再委託の届出を解説

履行体制図とは?業務委託での提出と再委託の届出を解説

履行体制図とは、委託業務を「誰が、どの部分を担うのか」を図で示し、発注者に提出する書類です。受注者が単独で業務を行う場合だけでなく、一部を他社に再委託する場合には、その相手方と担当範囲を明示します。工事における施工体制台帳・施工体系図に相当するもので、業務委託版の「体制の見える化」の仕組みだといえます。履行体制図に記載のない再委託は、原則として事前の承認が必要になるなど、契約実務に直結する書類です。本記事では、履行体制図とは何か、記載する内容、再委託との関係、そして実務のポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 履行体制図は、委託業務の実施体制と再委託先を図で明示して発注者に提出する書類
  • 履行体制図に定めのない再委託を行うには、あらかじめ発注者の承認が必要になる
  • 体制に変更が生じた場合は、変更の届出(変更届)が必要になるのが通常

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目次

履行体制図とは

履行体制図とは、委託を受けた業務を、どのような体制で履行するのかを図示した書類です。受注者自身が担う範囲と、他社に再委託する範囲、そしてその再委託先の名称や担当する業務の内容を、体系的に示します。契約にあたって発注者に提出し、承認を受けたうえで業務を進めるのが基本的な流れです。

この書類が求められる理由は、発注者が業務の実施体制を正確に把握するためです。発注者は、入札やプロポーザルを通じて、その事業者の能力を評価して契約しています。ところが、実際の業務の大部分が、発注者の知らない別の事業者によって行われていたとしたら、契約の前提が崩れてしまいます。誰が実際に業務を担うのかを明らかにしておくことが、適正な履行を確保する第一歩になります。業務委託の基本は業務委託とはをご覧ください。

考え方としては、建設工事における施工体制台帳・施工体系図とよく似ています。工事では、下請の重層構造を明らかにして、誰がどの工事を担うのかを見える化します。業務委託では、履行体制図がその役割を果たします。工事側の仕組みは施工体制台帳とはで解説していますので、あわせて読むと理解しやすいでしょう。

記載する内容

履行体制図に記載する内容は、発注機関や業務の性質によって異なりますが、おおむね次のような事項が含まれます。

  • 受注者の情報:名称、業務全体を管理する体制(管理技術者など)
  • 再委託先の情報:名称、所在地など
  • 再委託する業務の範囲:どの部分を、どこまで委託するのか
  • 再委託の金額や割合:求められる場合がある
  • 体制の階層:再委託先がさらに委託する場合の関係

ポイントは、業務の範囲を明確に区切って示すことです。「一部を委託」といった曖昧な書き方では、体制を把握する目的が果たせません。どの工程、どの成果物の作成を、どの事業者が担うのかを、具体的に示す必要があります。

また、業務を管理する管理技術者や、成果品を確認する照査技術者といった、技術者の配置とあわせて体制を示すことが求められる場合もあります。誰が業務を統括し、誰が品質を確認するのかという役割分担は、体制の中核です。技術者の役割については照査とはをご覧ください。

再委託との関係

履行体制図が最も重要な意味を持つのが、再委託の場面です。官公庁の業務委託では、業務の全部や主要部分の再委託は禁止され、一部を再委託する場合も発注者の承認が必要とされるのが通常です。この承認の前提となるのが、履行体制図です。

実務上のルールとして、履行体制図に定められていない再委託を行うには、あらかじめ発注者の承認を得なければならないとされています。契約時に提出した体制図に記載がない相手方へ、勝手に業務を委託することはできない、ということです。業務を進める中で新たに再委託の必要が生じた場合は、承認の手続きを経てから委託する、という順序を守る必要があります。再委託のルールは再委託とは、さらに階層が深くなる場合は再々委託とはをご覧ください。

あわせて、履行体制図の内容に変更が生じた場合には、変更の届出が求められるのが一般的です。再委託先が変わった、担当範囲が変わった、といった場合には、速やかに変更届を提出します。体制図は、契約時に一度提出して終わりの書類ではなく、業務期間を通じて実態と一致させておくべきものだ、ということです。

受注者が実務で押さえておきたいこと

履行体制図について、受注者が押さえておきたいポイントを整理します。第一に、契約前の体制設計です。応札の段階から、その業務を自社だけで完遂できるのか、一部を外部に委託する必要があるのかを見極めておきます。再委託が必要なら、契約時の履行体制図に最初から盛り込んでおくことで、後から承認を得る手間を省けます。

第二に、無承認委託の回避です。忙しさに紛れて、体制図にない相手方に作業を頼んでしまう——これは契約違反になり得ます。契約解除や指名停止といった重い措置につながるおそれもあります。少しでも判断に迷う場合は、発注者に確認するのが確実です。指名停止の仕組みは指名停止とはをご覧ください。

第三に、再委託先の管理です。体制図に記載して承認を得たとしても、業務の履行責任は受注者にあります。再委託先の作業品質を管理し、秘密保持などの義務を確実に引き継がせる必要があります。情報管理の考え方は秘密保持義務とはをご覧ください。体制を明示することは、責任の所在を明らかにすることでもあります。適正な体制で業務を遂行することが、成果品の質を高め、業務成績評定にもつながります。

よくある質問

再委託しない場合も履行体制図は必要ですか

発注機関や業務によります。再委託がなくても、業務の実施体制を示す書類として提出を求められる場合があります。提出の要否や様式は契約書・仕様書で定められるため、契約時に確認してください。

体制図にない相手に委託できますか

あらかじめ発注者の承認を得る必要があります。履行体制図に定めのない再委託を無承認で行うことは契約違反となり得ます。業務の途中で再委託の必要が生じた場合は、承認の手続きを経てから委託してください。

体制が変わったらどうしますか

履行体制図の内容に変更が生じた場合は、変更の届出を提出するのが通常です。再委託先や担当範囲が変わった際は、速やかに手続きを行い、体制図と実態を一致させておく必要があります。

まとめ

履行体制図とは、委託業務を誰がどの部分を担うのかを図で示し、発注者に提出する書類で、工事における施工体制台帳・施工体系図に相当する「業務委託版の体制の見える化」の仕組みです。受注者の体制、再委託先の名称と担当範囲などを明確に記載し、承認を受けて業務を進めます。履行体制図に定めのない再委託には、あらかじめ発注者の承認が必要で、体制に変更が生じた場合は変更の届出が求められます。受注者は、契約前の体制設計、無承認委託の回避、そして再委託先の管理を徹底することが大切です。体制を明示することは、責任の所在を明らかにし、成果品の質を守ることにもつながります。関連して再委託とは施工体制台帳とはもあわせてご覧ください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

※本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。履行体制図の様式・提出要件は発注機関により異なります。具体的な内容は各発注機関の契約書・仕様書等の一次情報をご確認ください。

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