【低入札価格調査】(ていにゅうさつかかくちょうさ)

【低入札価格調査】(ていにゅうさつかかくちょうさ)

低入札価格調査制度とは、入札において調査基準価格を下回る金額で入札が行われた場合に、その価格での契約履行が可能かどうかを発注機関が調査したうえで落札者を決定する制度です。最低制限価格制度と並ぶダンピング対策の柱として、公共工事・業務委託を中心に広く導入されています。本記事では、制度の仕組み・法的根拠・最低制限価格制度との違い・調査基準価格の設定方法・実務上の注意点をわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 低入札価格調査は「即失格」ではない:調査基準価格を下回っても失格にはならず、履行能力の調査を経て落札者が決定される
  • 最低制限価格制度と対になる制度:最低制限価格は下回ったら即失格。どちらを採用するかは発注機関の判断による
  • 調査基準価格は予定価格の70〜90%程度:国・地方自治体・契約種別によって算定式が異なる

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目次

低入札価格調査制度とは|定義と法的根拠

定義(地方自治法施行令第167条の10)

低入札価格調査制度とは、入札価格があらかじめ設定された調査基準価格を下回った場合に、その価格で契約の内容に適合した履行がなされるかどうかを調査し、適正な履行が見込めないと判断した場合には落札者としない制度です。

法的根拠は以下のとおりです(出典:低入札価格調査制度・最低制限価格制度の概要|総務省)。

発注者の種別根拠法令
国(各省庁)会計法第29条の6第1項ただし書き・予算決算及び会計令第84条
地方公共団体地方自治法施行令第167条の10第1項

地方自治法施行令第167条の10第1項は「普通地方公共団体の長は、一般競争入札に付する場合において、その価格によっては契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認める場合…その者を落札者としないことができる」と規定しています。

制度が設けられた背景|ダンピング受注の弊害

公共工事・業務委託において極端に低い価格での落札(ダンピング)が起きると、以下のような弊害が生じます。

  • 工事・業務の品質低下・手抜き工事
  • 下請け業者へのしわ寄せ(賃金未払い・安全対策の省略)
  • 適正価格で入札した業者が落札できず、健全な競争が阻害される
  • 受注した業者の経営悪化・倒産リスク

こうした問題を防ぐために導入されたのが、低入札価格調査制度と最低制限価格制度の2つのダンピング防止制度です。

低入札価格調査制度と最低制限価格制度の違い

この2つの制度は混同されやすいですが、落札者の決定方法が根本的に異なります

低入札価格調査制度最低制限価格制度
基準価格を下回った場合調査を実施→結果次第で落札可・不可即失格(自動的に落札者にならない)
調査の有無あり(履行能力・体制・価格根拠を確認)なし
運用の柔軟性高い(個別に判断できる)低い(機械的に処理できる)
事務負担大きい(調査に時間・人手がかかる)小さい
主な適用場面大規模工事・技術的難度が高い案件小〜中規模工事・定型的な案件

どちらの制度を採用するかは発注機関の判断によります。両制度を併用する場合もあり、たとえば「調査基準価格を下回り、かつ失格基準価格も下回った場合は即失格」という形で組み合わせて運用されることもあります。

調査基準価格の設定方法

国(国土交通省)の算定基準

国土交通省は工事請負契約における調査基準価格の算定式を定めており、定期的に見直しを行っています(出典:低入札価格調査における基準価格の見直し等について|国土交通省)。

工事の場合、調査基準価格は予定価格のおおむね75〜92%の範囲で、直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の各費目に対する算入率を合計して算出します。算定式は業種・規模によって異なり、国土交通省が適宜改定します。

地方公共団体の設定方法

地方公共団体は、国の基準を参考にしながら各自治体の規則・要綱で独自の調査基準価格を設定します。一般的には予定価格の70〜90%程度が多く、業務委託・物品購入などの工事以外の契約では設定方法が異なります。

実務上の注意点

  • 調査基準価格は案件ごとに非公表が原則(事前に知ることはできない)
  • 自治体によって設定方式・算定式が異なるため、入札前に発注機関の要綱を確認することが重要
  • 調査基準価格を下回っても必ず失格になるわけではない点は受注者にとって重要

調査の流れと受注者が求められる対応

調査の実施手順

調査基準価格を下回る入札があった場合、発注機関は以下の手順で調査を進めます。

  1. 調査対象者への通知:調査基準価格を下回った入札者に対して調査実施の連絡が届く
  2. 資料の提出要求:積算内訳書・下請予定業者リスト・資材調達計画・工程表などの提出を求められる
  3. ヒアリング:発注機関の担当者が入札者に対して低価格の根拠・履行体制を確認する
  4. 調査結果の判定:適正な履行が可能と判断されれば落札者に決定、不可と判断されれば次順位者への繰り下げ

受注者として準備しておくべきこと

調査基準価格を下回る価格で入札する場合(または下回る可能性がある場合)、受注者は以下を事前に準備しておく必要があります。

  • 詳細な積算内訳書:低価格の根拠を費目ごとに説明できる資料
  • 下請業者・資材調達先の確認:具体的な業者名・単価の根拠を説明できる状態にしておく
  • 履行体制の明示:担当技術者・現場代理人の配置計画
  • 類似実績の整理:同規模・同種業務の実績と実際の原価実績

調査への対応が不十分だと、低価格にもかかわらず落札できない結果になります。「安く入れれば必ず取れる」という認識は誤りであり、履行能力の証明が同時に求められます。

よくある質問(FAQ)

調査基準価格は事前に調べられますか?

原則として非公表です。ただし、一部の自治体では算定方式(予定価格の何%に相当するか)を公表していることがあります。入札公告・入札説明書に記載されている場合もあるため、入札前に必ず確認してください。

調査基準価格を下回ったら必ず落札できなくなりますか?

そうではありません。調査を経て「適正な履行が可能」と認められれば落札者になれます。ただし、調査の結果「履行が困難」と判断されると落札できません。最低制限価格制度と異なり、調査基準価格を下回ること自体は即失格ではない点が重要な特徴です。

低入札価格調査を受けた場合のデメリットはありますか?

調査に対応するために資料作成・ヒアリング対応の負担が生じます。また、調査期間中は落札者が確定しないため、発注機関側の手続きも遅延します。調査で問題なしと判定されても、その後の工事・業務において発注機関からの監視が厳しくなるケースがあります。

最低制限価格と調査基準価格はどちらが高いですか?

一般的に調査基準価格のほうが高く設定されます。両制度を併用する場合、「調査基準価格以下→調査実施、さらに失格基準価格以下→即失格」という2段階の仕組みになることが多いです。最低制限価格制度の詳細はこちらをご参照ください。

まとめ

低入札価格調査制度の主なポイントをまとめます。

  • 調査基準価格を下回る入札があった場合に、履行能力を調査してから落札者を決定する制度(即失格ではない)
  • 根拠法令は地方自治法施行令第167条の10第1項(地方公共団体)・会計法第29条の6(国)
  • 最低制限価格制度との最大の違いは「調査を経た個別判断」vs「基準価格以下は即失格」
  • 調査基準価格は予定価格の70〜90%程度が多いが、自治体・案件種別によって異なる
  • 調査基準価格を下回る価格で入札する場合は、事前に積算内訳書・履行体制の準備が必須

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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