入札不調・不落とは?原因と再入札・随意契約への対処法

入札を実施しても「不調」「不落」となるケースは決して珍しくありません。受注機会を逃さないために、不調・不落の定義・原因と、その後の「再入札」「不落随契」への対応手順を実務目線で解説します。
この記事のポイント
- 不調=有効な応札者がいない・入札が成立しない状態
- 不落=入札は行われたが落札者が決まらない状態
- 不調・不落後は「再入札 → 条件変更再公告 → 不落随契」の順で手続きが進む
- 不落随契の根拠:予算決算及び会計令第99条の2・地方自治法施行令第167条の2
入札不調・不落の定義
入札の結果が「不成立」になる状態には2種類あります。
| 用語 | 意味 | 典型的な原因 |
|---|---|---|
| 不調(入札不調) | 有効な応札者がいない、または入札が成立しない状態 | 応札者ゼロ(辞退・欠席)、全者無効入札 |
| 不落(入札不落) | 入札は行われたが落札者が決定しない状態 | 全応札者が予定価格を超過、または最低制限価格を全員下回った |
なお 不落随契(ふらくずいけい) とは、入札不落後に最低価格応札者と随意契約の協議を行う手続きのことです(予算決算及び会計令第99条の2・地方自治法施行令第167条の2第1項第8号)。
入札不調・不落の主な原因
1. 予定価格が実勢より低い
最も多い原因です。物価・人件費・材料費の上昇に予定価格の設定が追いついていない場合に発生します。特に建設工事・IT調達・警備委託などで近年増加しています。
2. 仕様書・要求水準が厳しすぎる
技術要件・人員要件・実績要件が高すぎて参加できる業者が限定され、応札者ゼロになるケースです。特定の企業しか満たせない要件になっている場合も含まれます。
3. 地域の業者不足・技術者不足
建設工事の地域要件(地元業者優先)がある場合、地域内に適格業者が少ない・繁忙期で受注余力がないと不調になります。人口減少地域では慢性的な課題となっています。
4. スケジュール・工期の問題
工期が短すぎる・年度末に集中して業者側の対応が困難な時期に重なった場合に不応札になります。年度末(2〜3月)は特に集中しやすい傾向があります。
5. 入札書の無効・失格
全応札者の入札書に記載ミス・様式違い等の瑕疵があり、全員無効となって不調になるケースもあります。電子入札では操作ミスによる無効も発生します。
不調・不落後の手続きフロー
| ステップ | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| Step 1 | 再度入札(再入札) | 同一条件のまま再度入札を実施。当日その場で行う場合と後日公告する場合がある |
| Step 2 | 条件変更・再公告 | 予定価格の見直し・仕様書修正・工期変更・参加資格緩和などを行い改めて公告 |
| Step 3 | 不落随契 | 再入札後も落札者なしの場合、最低価格応札者と随意契約の協議を実施 |
| Step 4 | 再度の再公告 | 不落随契でも合意できない場合、さらなる仕様見直し・再公告が必要 |
各手続きの詳細
再度入札(再入札)
不調・不落後、条件を維持したままもう一度入札を実施します。会計法・地方自治法では「再度の入札」の実施が認められています。
- 開札当日にその場で再入札を行う(当日再入札)ケースと、後日改めて公告して行うケースがある
- 再度入札では「契約保証金及び履行期」以外の条件を変更することができない
- 前回と同じ条件・価格で再入札しても同じ結果になる可能性が高いため、根本原因の分析が重要
条件変更・再公告
予定価格の見直し・仕様書の修正・工期の変更・参加資格要件の緩和などを行って再公告します。不調の根本原因を分析し、適切な条件変更を行うことが重要です。
- 予定価格の引き上げ:実勢価格・最新の労務単価・資材価格を再積算
- 仕様の緩和:過度な実績要件・資格要件の見直し
- 工期の延長:業者側の受注余力を確保できる工期への変更
- 分割発注:一括発注を分割し、中小業者でも参加できるよう調整
不落随契(ふらくずいけい)
再入札後も落札者が決まらない場合、最低価格応札者と随意契約の協議を行うことが認められています(国:予算決算及び会計令第99条の2、地方:地方自治法施行令第167条の2第1項第8号)。
- 協議を経て予定価格以内の金額で合意できれば契約締結
- 合意できない場合はさらなる再公告・仕様見直しが必要
- 応札者が1者のみだった場合も不落随契の対象になる
- 不落随契は「やむを得ない場合」の特例であり、透明性確保のため交渉経緯の記録が求められる
不調・不落後の対応:企業側の実務
再公告を見逃さない
不調・不落後に再公告が行われる際、仕様書・条件が変更されることがあります。前回参加を見送った案件でも再公告では条件が有利になるケースがあるため、継続的にウォッチすることが重要です。
- NJSS・官公庁の調達情報ポータルで再公告を検索する
- 前回辞退した理由(価格・工期・技術要件)が改善されているか確認する
- 再公告では競合が少ない(前回参加業者が減っている)ことが多く、落札機会が高まる
不落随契への対応
最低価格応札者として不落随契の協議対象になった場合、誠実に協議に応じることが重要です。無条件に価格を下げる必要はありませんが、予定価格内に収まる合理的な見積を提示して交渉することが求められます。
- 自社のコスト構造を整理し、どこまで価格を下げられるか事前に把握しておく
- 単に値下げするだけでなく、仕様の一部変更や支払条件の調整も提案できる
- 協議が不調に終わっても、次回の再公告への参加は妨げられない
応札前に不調リスクを見極める
発注機関の過去の調達履歴を確認すると、同一案件で過去に不調・不落が発生していないかチェックできます。繰り返し不調になっている案件は予定価格が低めに設定されている可能性が高く、応札価格の設定に注意が必要です。
よくある質問
不調と不落はどう違うのか?
不調は「入札そのものが成立しなかった」状態(応札者ゼロなど)で、不落は「入札は行われたが落札者が決まらなかった」状態です。いずれも契約に至らない点は同じですが、発生原因と以後の手続きが異なります。
不落随契は必ず行われるのか?
必ずではありません。発注機関が「条件を見直して再公告した方がよい」と判断した場合は、不落随契を行わずに条件変更・再公告に移行することもあります。
不調・不落になった案件に次回以降も参加できるか?
参加できます。不調・不落そのものは業者側の評価に影響しません。再公告・条件変更後の入札に改めて参加することが可能です。
まとめ
入札不調・不落の最多原因は「予定価格が実勢より低い」ことです。不調・不落後は「再入札 → 条件変更再公告 → 不落随契」の手続きフローが法令上定められています。企業側としては再公告情報を継続ウォッチし、不落随契では適切な価格協議に応じることが受注機会を最大化するポイントです。
随意契約(不落随契を含む)の詳細は随意契約とは?入札との違いと要件をわかりやすく解説もご参照ください。
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