随意契約とは?入札との違い・種類・手続きをわかりやすく解説

随意契約とは?入札との違い・種類・手続きをわかりやすく解説

随意契約とは、地方公共団体や国の機関が競争入札を経ずに、特定の業者を任意に選定して直接締結する契約のことです。公共調達の原則は競争入札ですが、緊急時や少額案件など一定の条件を満たす場合に限り、随意契約が認められています。

「なぜあの業者だけが選ばれているのか」「うちの会社も随意契約で仕事を受けられないか」と疑問に思ったことはないでしょうか。本記事では、随意契約の定義から法的根拠、入札との違い、認められる要件・種類、手続きの流れまでを実務の視点で解説します。

この記事のポイント

  • 随意契約は例外措置:公共調達の原則は競争入札。随意契約は地方自治法施行令・会計法が定める要件を満たす場合のみ認められる
  • 6つの要件がある:少額・競争困難・緊急・不利回避・時価有利・不落随契で、要件ごとに手続きと対象が異なる
  • 受注機会は戦略的に作れる:入札で実績を積み、技術的優位性を確立することで随意契約受注の機会を増やせる

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目次

随意契約とは何か

随意契約の定義と法的根拠

総務省の定義によれば、随意契約とは「地方公共団体が競争の方法によらないで、任意に特定の者を選定してその者と契約を締結する方法」です(地方公共団体の入札・契約制度の概要より)。

法的根拠は発注者の種別によって異なります。

発注者区分 根拠法令 主な条文
都道府県・市区町村 地方自治法施行令 第167条の2
国(各省庁) 会計法・予算決算及び会計令 会計法第29条の3第4項・予決令第99条
政府関係機関等 各機関の契約規程 個別規定による

競争入札との本質的な違い

公共調達の大原則は競争原理です。複数の業者が価格・提案内容を競い、最も有利な条件の業者が選ばれることで、税金の適正使用と公平性が担保されます。随意契約はこの例外として位置づけられます。

比較項目 競争入札 随意契約
業者選定 入札で競争・決定 発注者が任意選定
透明性 高い(公告・開札公開) 低い(非公開になりやすい)
参加機会 広く開放 特定業者のみ
手続き 公告→入札→開札→契約 業者選定→見積→契約
適用条件 原則(条件なし) 例外(法令要件を満たす場合のみ)

随意契約が認められる6つの要件

地方自治法施行令第167条の2(自治体の場合)

自治体が随意契約を締結できるのは、地方自治法施行令第167条の2が定める以下の要件を満たす場合に限られます。

随意契約が認められる主な要件(地方自治法施行令第167条の2)

  1. 少額契約:予定価格が施行令で定める一定金額以下(少額随意契約)
  2. 競争不適:性質または目的が競争入札に適しない場合(専有技術・継続性など)
  3. 緊急:緊急の必要により競争入札に付することができない場合
  4. 不利回避:競争入札に付することが不利と認められる場合
  5. 時価有利:時価に比して著しく有利な価格で契約できる場合
  6. 不落随契:競争入札に付したが落札者がいない場合

少額随意契約の基準額(令和7年改正)

少額随意契約の基準額は令和7年(2025年)4月1日に約50年ぶりに大幅引き上げされました。物価高騰への対応と行政事務の効率化が主な理由です。

契約種別 都道府県・指定都市 市区町村(指定都市除く)
工事・製造の請負 250万円以下 130万円以下
財産の買い入れ 160万円以下 80万円以下
物品の借り入れ 80万円以下 40万円以下
役務の提供 100万円以下 50万円以下

少額随意契約の改正詳細は少額随意契約とは?令和7年改正の新基準額と実務への影響で解説しています。

国(各省庁)の随意契約要件

国の機関は会計法第29条の3第4項および予算決算及び会計令(予決令)第99条が根拠となります。基本的な要件構造は自治体と類似していますが、「競争に付することが不利」の範囲が比較的広く、専門的技術を有する特定業者との随意契約が認められやすい場面があります。

また、全省庁統一資格を保有することが、国の機関との随意契約への入口となる場合もあります。

随意契約の種類

少額随意契約(最多類型)

件数ベースで最も多い類型です。「少額であれば競争の実益が薄い」という実務的合理性に基づきます。少額とはいえ手続きは省略できず、原則として2社以上から見積もりを取ることが求められます。

競争入札に付することが適当でない場合(特命随意契約)

競争原理では調達できない業務に適用されます。該当しやすいのは次のような業務です。

  • 独自技術・特許保有:特定メーカーの機器の保守、専有ライセンスが必要なシステム
  • 継続性・引き継ぎコスト大:既存システムの改修・拡張、長年の実績がある業務委託
  • 知的財産・個性が求められる業務:デザイン、映像制作、調査・コンサルティング
  • 秘密保持が必要な業務:機密情報を扱う調査・個人情報データ処理

緊急随意契約

災害対応・設備の緊急修繕など、入札手続きを踏む時間的余裕がない緊急事態に認められます。「緊急性」の判断は厳格で、準備不足や予算都合の緊急性は該当しません。

不落随意契約

一般競争入札や指名競争入札を実施したにもかかわらず落札者がいなかった場合に、手続きの迅速化のため随意契約への切り替えが認められます。

注意:要件を満たさない随意契約は違法

条件に該当しない随意契約は違法行為となります。国・自治体では「随意契約見直し計画」が義務づけられており、不適切な随意契約の常態化は監査・住民訴訟の対象になることがあります。受注側も不正な利益供与への関与には注意が必要です。

随意契約の手続きの流れ

業者選定から契約締結まで

随意契約は入札に比べて手続きがシンプルですが、適正なプロセスを踏まないと後に問題となります。

  1. 随意契約理由の確認:地方自治法施行令第167条の2のいずれの要件か確認・記録
  2. 業者の選定:少額は2〜3社以上から見積合わせ。特命の場合は選定理由を文書化
  3. 見積書の徴収:予定価格の範囲内かを確認。原則として封書で提出させる
  4. 随意契約理由書の作成:なぜ競争入札によらないかを書面で明記(公文書として保存)
  5. 契約担当部署の決裁:随意契約理由書・見積書を添えて決裁を得る
  6. 契約締結業務委託契約書等を締結
  7. 情報公表:一定金額以上の随意契約は自治体HPで公表義務あり

随意契約情報の公表制度

平成19年の地方自治法改正以降、自治体は一定額以上の随意契約について契約相手方・金額・理由を公表する義務があります(地方自治法第234条の3)。各自治体のホームページで随意契約情報が公開されており、民間企業が営業戦略を立てる際の参考情報として活用できます。

民間企業が随意契約を受注するためのポイント

随意契約に繋がりやすい業務の特性

発注者に「この業者でなければならない」と判断させる根拠を積み上げることが基本です。

業務特性 具体例
専有技術・特許保有 独自システム開発・保守、特定機器の保守点検
継続性・引き継ぎコスト大 既存システムの改修・拡張、長年運用中の業務委託
少額・軽微業務 消耗品購入、定期点検・軽微な修繕
緊急・スポット対応 設備故障時の緊急修理、災害復旧対応

随意契約受注のための実務戦略

公共案件での随意契約受注機会を増やすには、以下のステップが有効です。

  • まず競争入札で実績を作る:初回は競争入札で受注し、成果を積み重ねることで継続随意契約へ繋がりやすくなる
  • 官公庁との接点を増やす:展示会・セミナーへの参加、提案書・実績資料の定期的な情報提供
  • 技術的優位性の確立:他社が代替できない技術・ノウハウを持つことで「競争不適」要件に該当しやすくなる
  • 既存契約の品質維持:受注後の成果・サービス品質を維持し「次もお願いしたい」と思わせることが継続随意契約への近道

注意:不正な働きかけは厳禁

随意契約の受注を目的に担当者へ不適切な働きかけを行うことは、官製談合防止法・贈収賄罪に抵触するリスクがあります。合法的な営業活動の範囲内で関係を構築することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 随意契約と見積合わせは違うのですか?
見積合わせは随意契約の一形態です。少額随意契約では単一業者への特命でなく、複数業者から見積もりを取る「見積合わせ方式」が多く用いられます。詳しくは見積合わせとは?入札との違いと3社以上が必要な理由をご覧ください。
Q. 随意契約は民間企業間でも使われる言葉ですか?
いいえ、随意契約は主に公共調達(国・自治体の契約)の文脈で使われる用語です。民間企業が特定の取引先と直接契約する行為は「相対取引」などと呼ばれ、法律上の特別な規制はありません。
Q. 随意契約で受注した後、次回も自動的に随意契約になりますか?
自動的にはなりません。毎回の契約で随意契約要件を確認する必要があります。ただし「既存システムの継続保守」など継続性の要件を満たす場合は、複数年度にわたり随意契約が継続されることがあります。
Q. 随意契約の理由書は公開されますか?
一定金額以上の随意契約は自治体ホームページで公表義務があります。随意契約理由書自体は情報公開請求の対象となる場合があります。

まとめ

随意契約とは、競争入札によらずに発注者が特定の業者を選んで直接契約する方式です。公共調達の例外措置として地方自治法施行令・会計法に基づく要件を満たす場合のみ認められます。

この記事のまとめ

  • 随意契約は「例外的な契約方式」。要件を満たさない随意契約は違法
  • 認められる要件は6種類(少額・競争不適・緊急・不利回避・時価有利・不落随契)
  • 令和7年4月に少額随意契約の基準額が約50年ぶりに引き上げられた
  • 民間企業は競争入札で実績を積み、技術的優位性を確立することで随意契約受注機会を増やせる

公共調達への参入や受注拡大を検討している方は、入札と随意契約の違いとは?もあわせてご確認ください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

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