不落随契とは?入札不調・不落後に随意契約へ移行する手続きと法令根拠

官公庁の入札に参加していると、「入札しても落札者が決まらなかった」「予定価格を上回る応札ばかりだった」といった事態に遭遇することがあります。このような場合に発注機関が取る次の手続きが「不落随契(ふらくずいけい)」です。
不落随契は、入札不調・不落後に随意契約へ移行する契約形態であり、地方自治法施行令にも明確な根拠条文があります。本記事では、不落随契の定義・法的根拠・実務上の制約・参加事業者として知っておくべき点を整理して解説します。
この記事のポイント
- 不落随契=入札不調・不落後の随意契約:地方自治法施行令第167条の2第1項第8号が根拠
- 条件変更は契約保証金と履行期限のみ:予定価格・仕様等は原則変更不可
- 競争性確保のため複数者からの見積徴収が原則:1社だけと随意契約するわけではない
不落随契とは
不落随契とは、「不落随意契約」の略で、入札が不調または不落となった場合に、改めて競争入札を実施せず随意契約に移行する手続きを指します。
「不調」は応札者がいなかった状態、「不落」は応札はあったが予定価格内で落札者が決まらなかった状態を指し、いずれも入札が成立しなかったケースです。発注機関は再公告して入札をやり直す方法もありますが、時間的制約や応札見込みの少なさから、不落随契を選択することがあります。
不落随契の法的根拠
不落随契は、地方自治法施行令第167条の2第1項第8号を根拠とします。同号は次のように規定しています。
地方自治法施行令第167条の2第1項第8号(要旨)
競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないときは、随意契約によることができる。
国の機関も会計法第29条の3に同様の規定があり、入札が成立しなかった場合の随意契約への移行は法令上認められた手続きです。
不落随契に移行できる条件
不落随契は無条件で適用できるわけではありません。発注機関が次の条件を満たすときに限って認められる運用が一般的です。
- 入札不調・不落の事実:応札者がいなかった、または予定価格を超える応札ばかりだった
- 再入札の余地が乏しい:再度公告しても応札見込みが乏しい、または期間的余裕がない
- 条件変更の必要が限定的:仕様・予定価格を大幅に変更する場合は、別案件として再公告すべきと整理される
発注機関は、入札不調・不落の原因を調査したうえで不落随契に移行するか、再公告するかを判断します。
不落随契での条件変更の制約
不落随契で特に重要なのは、当初入札時の条件を原則として変更できない点です。
| 条件項目 | 変更の可否 |
|---|---|
| 予定価格 | 変更不可(当初入札時の価格を維持) |
| 仕様・業務範囲 | 変更不可 |
| 契約保証金 | 変更可 |
| 履行期限 | 変更可 |
仕様や予定価格を変更する必要がある場合は、不落随契ではなく「入札条件を見直したうえで再公告」が原則です。条件を大きく変えて随意契約することは、競争性確保の観点から認められません。
不落随契での見積徴収(競争性の確保)
不落随契であっても、随意契約である以上は競争性を確保することが求められます。多くの自治体ガイドラインは複数者から見積もりを徴収することを原則と定めています。
具体的には、入札に参加した事業者または同種業務を実施可能な事業者数者に見積もり提出を依頼し、最も有利な提案を行った事業者と契約を結びます。1社のみに見積もりを依頼する運用(特命随契的な扱い)は、要件が満たされていない限り適切ではありません。
事業者側が不落随契で押さえるべき実務ポイント
応札者の立場で、入札が不落となった場合や不落随契の見積依頼を受けた場合のポイントは以下のとおりです。
- 不落の原因を分析する:予定価格の見立てが甘かったのか、仕様が厳しかったのか。次回入札・随意契約への参加判断に活かす
- 見積価格は再考の余地あり:当初入札時より価格条件が緩む可能性は低いが、履行期限変更や契約保証金軽減があれば原価構造を再計算する
- 見積依頼書を慎重に確認:発注機関からの見積依頼書には「契約保証金」「履行期限」の変更内容が明示される。当初入札時との差分を把握する
- 競争見積に応じる場合:不落随契の見積競争でも、過度な値下げは経営を圧迫する。原価と利益を確保した妥当価格で提示する
- 再公告された場合の参加判断:不落随契ではなく再公告となった場合、参加するか辞退するかを早期に判断する
不落随契の留意点:監査・住民監査請求リスク
不落随契は「入札を経ずに契約を結ぶ」形式に見えやすく、住民や監査委員から「実質的な随意契約ではないか」「予定価格の妥当性が検証されていないのではないか」との指摘を受けやすい契約形態です。発注機関は次の対応で透明性を確保します。
- 入札不調・不落の経緯(応札者数・応札価格・予定価格との乖離)を記録
- 見積徴収先・徴収結果・落札理由を文書化
- 契約後の支出・履行状況を通常契約と同等に管理
事業者側もこれらの透明性確保プロセスに協力することで、不落随契後も継続的な取引関係を維持しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 不落随契で価格は当初予定価格を超えて契約できますか?
原則できません。予定価格は変更不可のため、見積価格も予定価格以内である必要があります。予定価格を見直すなら再公告が必要です。
Q2. 不落随契には参加表明書の提出が必要ですか?
発注機関の運用次第ですが、見積依頼を受けた事業者は見積書のみで参加可能なケースが多いです。当初入札に参加していない事業者も対象になる場合があります。
Q3. 不落随契は再度不調になった場合どうなりますか?
再度の見積徴収を行うか、仕様・予定価格を見直して再公告するかを発注機関が判断します。複数回不調が続く場合は調達方式自体(プロポーザル方式への切り替えなど)の見直しもあり得ます。
まとめ
不落随契は、入札不調・不落後の随意契約として地方自治法施行令第167条の2第1項第8号に定められた手続きです。再入札の代わりに採用される実務的な救済策ですが、予定価格・仕様の変更は不可、複数者見積徴収が原則という制約があります。
- 条件変更は契約保証金と履行期限のみに限定
- 競争性確保のため複数者からの見積徴収が原則
- 事業者は不落の原因分析と妥当価格での見積提示が次回受注のカギ
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