入札書とは?記載事項・書き方・電子入札での提出方法を入札実務から解説

入札に参加するにあたって、最終的に提出する書類が入札書です。「何を書けばいいのか」「間違えたらどうなるのか」「電子入札の場合はどうするのか」といった疑問を、入札実務の視点から解説します。
この記事のポイント
- ポイント1: 入札書とは入札価格を発注機関に対して提示する公式文書
- ポイント2: 記載ミス・押印漏れ・封入ミスなどで無効になるケースがあるため細心の注意が必要
- ポイント3: 電子入札の場合はシステム上での操作になり、紙の書式は不要
入札書とは何か
入札書(にゅうさつしょ)とは、競争入札において参加事業者が発注機関に対して入札価格(入札金額)を提示するための公式文書です。入札者は入札書に金額を記入し、開札日時までに提出します。
入札書は、発注機関が落札者を選定するための最も重要な書類です。一般競争入札(最低価格落札方式)では、予定価格以下で最も低い価格を記載した入札書の提出者が落札者となります。
入札書の記載事項
入札書に記載する項目は発注機関によって様式が異なりますが、一般的に以下の内容が含まれます。
| 記載項目 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 件名(調達件名) | 公告・仕様書に記載の正式名称を正確に転記 |
| 入札金額 | 税抜き・税込みの指定に注意。アラビア数字で記入。改ざん防止のため頭に「金」を付けることも |
| 日付 | 入札書を作成した日または提出日 |
| 会社名・所在地 | |
| 代表者名・押印 | 代表取締役(または委任状があれば代理人)の署名・押印 |
| 宛先 | 発注機関の長(〇〇大臣、〇〇知事、〇〇市長など)宛に記入 |
税込み・税抜きの扱いに注意
入札金額を税込みで記載するか税抜きで記載するかは、公告・入札説明書に明記されます。国の機関は消費税相当額を含めた価格(税込み)を入札書に記載する方式と、税抜きで記載して消費税を加算する方式があります。必ず仕様書・入札説明書を確認し、どちらで記載するかを間違えないようにしてください。
入札書が無効になるケース
以下のいずれかに該当すると、入札書は無効となり落札候補から除外されます。
- 入札金額が予定価格を超えている
- 入札金額が最低制限価格を下回っている(設定がある場合)
- 記名・押印がないまたは不鮮明
- 金額の訂正・二重線による修正(多くの機関で無効扱い)
- 封筒への封入ミス(別案件の入札書を誤封入など)
- 提出期限を過ぎた入札書
- 入札参加資格を満たしていない者による入札
紙の入札書の提出手順
- 入札書の作成: 発注機関指定の様式(または白紙)に必要事項を記入・押印
- 封入: 入札書を二重封筒または指定封筒に入れ、外封筒に「入札書在中」「案件名」「入札者名」を記載
- 提出: 開札日時前に持参または郵送。持参の場合は開札室で係員に渡す
開札当日、封筒を開封してその場で金額を確認する「開札」が実施されます。開札の流れや立会いの方法はこちらも参考にしてください。
電子入札での入札書提出
電子入札に対応している案件では、紙の入札書は不要です。電子調達システム(GEPS・各省庁システム・自治体システム)上でICカード(電子証明書)を使って操作します。
電子入札の基本的な流れ
- 電子調達システムにログイン(ICカード+カードリーダー必要)
- 対象案件を選択し「入札書提出」メニューを開く
- 入札金額を入力し、内容を確認
- ICカードの暗証番号を入力して電子署名・送信
- 「入札書受信確認通知」を保存(受領証明として重要)
電子入札でのよくあるミス
- ICカードの有効期限切れで署名できない
- システムの利用時間外(深夜・早朝)に送信しようとする
- 金額入力後の確認画面での最終確認を飛ばす
- ブラウザやJavaの設定不備でシステムエラーが発生する
入札書と委任状
代表取締役ではなく、担当者(営業部長など)が入札書を提出する場合は委任状が必要です。委任状には代表者の署名・押印と委任する権限の範囲を記載します。電子入札の場合は、ICカードが本人確認となるため委任状が不要なケースがあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 入札書の金額は消費税込みで書くべき?
案件によって異なります。公告・入札説明書に「消費税を含む金額を記入すること」または「税抜き金額を記入し、消費税は別途加算」のどちらかが明示されています。必ず確認してから記入してください。
Q2. 入札書を郵送する場合の締切時間は?
「提出期限までに到着すること」とされるケースが多く、当日消印有効ではありません。余裕をもって送付し、追跡番号付きの郵便・宅配を使うことを推奨します。
Q3. 同額の入札が複数あった場合どうなる?
くじ引きで落札者を決定するのが一般的です(地方自治法施行令第167条の9)。開札当日に参加者が揃って立ち会い、くじを引く場合もあれば、代理くじになる場合もあります。
Q4. 入札書に金額を書き間違えた場合は?
提出前であれば書き直しが可能ですが、訂正印による修正は多くの機関で認められません。新しい用紙に書き直すのが原則です。提出後の取消・変更は原則不可です。
Q5. プロポーザルにも入札書は必要?
公募型プロポーザル(技術提案型)では、入札書ではなく提案書を提出します。ただし、技術評価と価格評価を組み合わせる「総合評価落札方式」では、提案書と入札書の両方を提出するケースがあります。
まとめ
入札書は、入札参加において最終的に提出する価格提示の公式文書です。金額の記入方法・税込み/税抜きの確認・押印・電子入札の操作など、細かい点のミスが無効につながるため、ダブルチェックを徹底することが重要です。電子入札では事前のICカード・システム動作確認も欠かせません。
→ 関連記事: 開札とは?立会いの流れと落札決定までのプロセス / 落札とは?落札通知書の受け取りから契約締結まで
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