入札保証金とは?入札時の担保と契約保証金との違いを解説

官公庁・自治体の一般競争入札に参加するとき、入札と同時に納めることがある担保が入札保証金です。これは、落札したのに契約を結ばずに辞退する、といった事態を防ぐためのもの。落札者が正当な理由なく契約を締結しない場合、入札保証金は没収されます。一方で、一定の条件を満たせば免除されることも多く、実務では免除されるケースが少なくありません。
本記事では、入札保証金の意味から、根拠となる法令、求められる割合(入札額の5%)、免除されるケース、没収される条件、そして契約保証金との違いまでを、入札実務の視点でわかりやすく整理します。
この記事のポイント
- 入札保証金は、落札後の契約辞退を防ぐために入札時に納める担保
- 根拠は地方自治法施行令第167条の7等。額は入札額の100分の5以上が一般的
- 落札者が契約を締結しないと入札保証金は没収(自治体に帰属)される
- 入札保証保険・履行実績・参加資格などで免除されるケースが多い
入札保証金とは
入札保証金とは、入札に参加する者が、入札の際に発注者へ納める担保のお金です。目的は「落札したら確実に契約を結ぶ」ことを担保すること。仮に落札者が契約を辞退すると、発注者は再入札などの手間とコストを負います。これを防ぐため、入札時にあらかじめ保証金を預けさせる仕組みになっています。
落札できなかった入札者には入札保証金が返還され、落札して契約を結んだ場合も返還されます(契約保証金に充当されることもあります)。つまり、きちんと入札・契約のルールを守れば、入札保証金が最終的に没収されることはありません。
入札保証金の根拠法と割合
地方自治法施行令第167条の7が根拠
地方自治法施行令第167条の7
普通地方公共団体が一般競争入札により契約を締結しようとするときは、入札に参加しようとする者に、当該団体の規則で定める率または額の入札保証金を納めさせなければならない、と定めています。
具体的な割合は各自治体の財務規則で定められますが、入札しようとする金額の100分の5以上(5%以上)とするのが一般的です。たとえば1,000万円で入札する場合、入札保証金は50万円以上となります。国の契約でも会計法令に基づき同様に入札保証金が定められています。
入札保証金が没収される条件
地方自治法第234条第4項
競争入札につき入札保証金を納付させた場合において、落札者が契約を締結しないときは、その者の納付に係る入札保証金は当該団体に帰属する、と定めています。
つまり、落札したにもかかわらず正当な理由なく契約を締結しないと、入札保証金は没収され、発注者(自治体・国)のものになります。これは「落札の責任」を担保する仕組みであり、安易な入札辞退への抑止力として機能しています。
入札は「とりあえず参加」ではなく、落札したら契約する前提で参加するものです。積算が甘いまま入札して落札し、採算が合わず辞退すると、入札保証金の没収に加えて指名停止などのペナルティを受けるおそれもあります。
入札保証金が免除されるケース
実務では、入札保証金が免除されることが多くあります。代表的な免除条件は次のとおりです。
- 保険会社との間に、発注者を被保険者とする入札保証保険契約を締結した場合
- 過去一定期間に、同種の契約を複数回誠実に履行した実績があり、契約を確実に履行すると見込まれる場合
- 発注者の審査を経た入札参加資格を有している場合(自治体の規定による)
- 契約保証の予約証書を提出した場合
免除条件は発注機関ごとに異なります。入札参加資格を持つ常連の事業者は免除されることが多い一方、新規参入の事業者は納付を求められる場合があります。入札公告・入札説明書で免除の有無を必ず確認しましょう。
契約保証金との違い
入札保証金と契約保証金は、名前は似ていますが、納めるタイミングも目的も異なります。
| 項目 | 入札保証金 | 契約保証金 |
|---|---|---|
| 納めるタイミング | 入札時 | 契約時 |
| 目的 | 落札後の契約辞退を防ぐ | 契約の確実な履行を担保する |
| 割合の目安 | 入札額の5%以上 | 契約額の10%以上 |
| 没収される場面 | 落札後に契約を結ばないとき | 契約を履行できなかったとき |
入札保証金は「契約に入るまで」、契約保証金は「契約を結んでから完了まで」を担保すると整理すると分かりやすいでしょう。契約段階の担保については契約保証金とはもあわせてご覧ください。
入札保証金の実務上のポイント
私たちが入札参加の支援で見てきた中でも、入札保証金は「免除されるかどうか」を事前に把握しておくことが重要です。入札参加資格を持っていれば免除される自治体が多い一方、初めて参加する自治体では納付が必要になることがあります。納付が必要な場合は、入札の締切までに準備しなければならないため、入札公告を読んだ段階で保証金の要否・金額・納付方法を確認しておきましょう。入札の出発点となる公告の読み方は入札公告とは?見方・掲載場所・確認ポイントもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 入札保証金は落札できなかったら戻ってきますか?
A. 戻ってきます。落札できなかった入札者には入札保証金が返還されます。落札して契約を結んだ場合も返還される(または契約保証金に充当される)ため、ルールを守れば没収されることはありません。
Q. 入札を辞退すると必ず没収されますか?
A. 没収されるのは、落札者が正当な理由なく契約を締結しない場合です。入札前の辞退(入札に参加しない)であれば、そもそも入札保証金の没収は問題になりません。落札後の契約辞退が没収の対象になる点に注意してください。
Q. 入札保証金は現金で納めるのですか?
A. 現金のほか、国債・地方債などの有価証券、入札保証保険など、発注機関が認める方法で納付・代替できます。具体的な納付方法は入札公告・入札説明書で確認してください。
まとめ
- 入札保証金は、落札後の契約辞退を防ぐために入札時に納める担保
- 根拠は地方自治法施行令第167条の7等。額は入札額の5%以上が一般的
- 落札者が契約を締結しないと入札保証金は没収(自治体に帰属)される
- 入札保証保険・履行実績・参加資格などで免除されるケースが多い
- 契約保証金(契約時)とはタイミング・目的が異なる
契約時の担保は契約保証金とは、現金以外での代替は履行保証保険とは、公告の読み方は入札公告とはもあわせてご覧ください。
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※本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。入札保証金の割合・免除条件は発注機関の規則により異なる場合があります。具体的な取り扱いは発注機関の契約担当窓口にご確認ください。



