履行保証保険とは?契約保証金の代替担保の仕組みを解説

履行保証保険とは?契約保証金の代替担保の仕組みを解説

公共工事を契約する際、原則として請負代金額の10%以上の契約保証金が必要になります。しかし、まとまった現金を預けると資金繰りが苦しくなる――そんな受注者の負担を軽くするのが履行保証保険です。少額の保険料で契約保証金の納付に代えられるため、多くの建設企業が公共工事で活用しています。

本記事では、履行保証保険の仕組みから、保険契約者と被保険者の関係、保険金額(請負金額の10%)、契約保証金との関係、履行保証証券(履行ボンド)との違い、そして加入のメリットまでを、入札・契約実務の視点でわかりやすく整理します。

この記事のポイント

  • 履行保証保険は、受注者の責めで契約が履行されなかったとき保険会社が発注者へ金銭補償する保険
  • 契約保証金の代替手段として使え、現金を拘束されずに済む
  • 保険契約者は受注者、被保険者は発注者。保険金額は請負金額の10%が一般的
  • 少額の保険料で済むため、資金繰りの負担を大きく軽減できる

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目次

履行保証保険とは

履行保証保険とは、受注者(請負者)の責めによって契約が履行されなかった場合に、保険会社が発注者に対して金銭的な補償を行う保険です。たとえば、受注者が倒産するなどして工事を完成できなくなったとき、発注者は別の業者に工事を引き継がせるための追加費用を負担することになります。その損害を保険会社がてん補します。

公共工事では、契約時に契約保証金を求められるのが原則ですが、履行保証保険に加入することでその契約保証金の納付に代えることができます。現金を預ける代わりに保険でカバーする、という考え方です。

保険契約者と被保険者の関係

履行保証保険の登場人物を整理すると、関係がわかりやすくなります。

立場 誰が 役割
保険契約者 受注者(請負者) 保険を申し込み、保険料を支払う
被保険者 発注者(官公庁・自治体) 契約が履行されないとき保険金を受け取る
保険者 損害保険会社 不履行時に発注者へ保険金を支払う

ポイントは、保険料を払うのは受注者なのに、保険金を受け取るのは発注者という点です。これは、契約保証金が「受注者が発注者に納める担保」であることの代替だと考えると理解しやすいでしょう。

保険金額と保険料

保険金額は請負金額の10%が目安

履行保証保険の保険金額は、契約保証金に相当する請負金額の10%とするのが一般的です。これは、公共工事で求められる契約保証金が「契約金額の10%以上」であることに対応しています。契約保証金の詳細は契約保証金とは?公共工事での割合・免除・保険での代替もあわせてご覧ください。

保険料は少額で済む

保険料は、保険金額(請負金額の10%)に対して、さらに一定の料率を掛けた少額の金額です。たとえば契約保証金として現金で数百万円を預けるのは大きな負担ですが、履行保証保険ならその一部の保険料を支払うだけで済みます。現金を手元に残せるため、資材調達や人件費など運転資金に回せるのが最大のメリットです。

公共工事の履行保証制度における位置づけ

公共工事の履行保証は、会計法・地方自治法に基づく仕組みとして整理されており、大きく「金銭的保証」と「役務的保証」に分けられます。

保証の種類 内容 主な手段
金銭的保証 不履行による発注者の経済的損失を金銭でてん補 契約保証金、履行保証保険、金銭保証
役務的保証 保証会社が代わりの業者を手配し工事の完成を保証 公共工事履行保証証券(役務的保証)

履行保証保険は、このうち金銭的保証に位置づけられます。発注者は、受注者が選んだ履行保証の方法に応じて、契約保証金の納付を免除します。

履行保証保険と履行保証証券(履行ボンド)の違い

似た制度に履行保証証券(履行ボンド)があります。どちらも契約保証金の代替になりますが、提供元と保証の性質が異なります。

  • 履行保証保険:損害保険会社が提供する保険。不履行時に発注者へ保険金(金銭)を支払う(金銭的保証)
  • 履行保証証券:保証会社が提供。金銭的保証のほか、代替業者の手配など役務的保証の形をとるものもある

どの手段を使えるかは発注機関の規定によります。入札公告・契約書類で認められている保証方法を確認し、自社の資金状況に合った方法を選びましょう。

履行保証保険を活用する実務上のポイント

私たちが入札・公共調達の支援で見てきた中でも、履行保証保険は資金繰りを楽にする有効な選択肢です。とくに複数の公共工事を同時に抱える企業では、契約保証金をすべて現金で納めると資金が大きく拘束されます。履行保証保険を使えば、その現金を運転資金として活用できます。

履行保証保険は契約締結までに手続きを終える必要があります。保険の引受審査に時間がかかることもあるため、落札後はすぐに保険会社へ相談しましょう。入札段階で契約保証の方法を想定しておくと、契約手続きがスムーズです。

よくある質問(FAQ)

Q. 履行保証保険に入れば契約保証金は不要ですか?

A. 履行保証保険は契約保証金の代替手段として認められるため、加入すれば現金での契約保証金の納付が免除されるのが一般的です。ただし、認められる保証方法は発注機関の規定によるため、契約書類で確認してください。

Q. 保険料は戻ってきますか?

A. 保険料は保険会社へ支払う対価であり、契約保証金のように完了後に返還されるものではありません。ただし、契約保証金として現金を拘束されるのに比べ、支払う金額(保険料)はごく一部で済むため、トータルでは資金面のメリットが大きくなります。

Q. 入札保証金にも保険はありますか?

A. あります。入札段階の担保である入札保証金にも、入札保証保険という代替手段があり、現金を納めずに済みます。入札・契約の各段階で保険を活用すると、資金を効率的に使えます。

まとめ

  • 履行保証保険は、受注者の責めで契約が履行されないとき保険会社が発注者へ金銭補償する保険
  • 契約保証金の代替手段として使え、現金を拘束されずに済む
  • 保険契約者は受注者、被保険者は発注者。保険金額は請負金額の10%が一般的
  • 公共工事の履行保証制度では「金銭的保証」に位置づけられる
  • 少額の保険料で資金繰りの負担を軽減できる。落札後は早めに手続きを

契約時の担保は契約保証金とは、入札時の担保は入札保証金とは、契約の基礎は工事請負契約書とはもあわせてご覧ください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

※本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。履行保証の取り扱い・保険の内容は発注機関の規則・保険会社の商品により異なる場合があります。具体的な内容は発注機関の契約担当窓口・保険会社にご確認ください。

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