品質管理基準・出来形管理基準とは?規格値と測定頻度を解説

品質管理基準・出来形管理基準とは?規格値と測定頻度を解説

公共工事では、「きちんと作った」と口で言うだけでは足りません。どの項目を、どのくらいの頻度で測り、どの範囲に収めるべきかが、あらかじめ基準として定められています。それが品質管理基準出来形管理基準です。使う材料の品質を確かめるのが品質管理、出来上がった形や寸法を確かめるのが出来形管理。いずれも、測定して記録し、規格値に収まっていることを示すことが求められます。本記事では、二つの基準の違い、規格値と測定頻度の考え方、そして受注者の管理実務を解説します。

この記事のポイント

  • 品質管理は材料や施工の品質を、出来形管理は完成した形状・寸法を確かめるもの
  • いずれも試験・測定の項目、規格値、頻度が基準として定められている
  • 測定結果を記録し、規格値に収まっていることを示すのが受注者の責任

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目次

施工管理基準という枠組み

公共工事の施工管理は、感覚や経験だけに頼るのではなく、定められた基準に沿って行われます。その枠組みが施工管理基準で、大きく品質管理と出来形管理の二つから成ります。

区分確かめるもの
品質管理使用する材料や施工そのものの品質コンクリートの強度、材料の規格、締固めの度合い
出来形管理完成した構造物の形状・寸法・位置幅、厚さ、高さ、延長、基準高

品質管理は、「良い材料を使い、正しく施工したか」を確かめるものです。コンクリートであれば、設計で求められた強度が出ているかを試験で確認します。盛土であれば、必要な締固めができているかを測ります。目に見えにくい「中身の質」を、試験によって数値で示す作業だといえます。

出来形管理は、「設計どおりの形に仕上がったか」を確かめるものです。図面に示された寸法どおりに施工されているかを、実際に測定して確認します。幅が足りない、厚さが薄いといったことがあれば、構造物の性能に関わります。設計図書に定められた形状を実現できているかを、数値で証明する作業です。設計図書の役割は設計図書とはをご覧ください。

この二つは、車の両輪です。形が正しくても中身の品質が伴わなければ意味がなく、品質が良くても寸法が違えば構造物として成り立ちません。どちらも欠かせない管理です。

規格値とは

管理基準の中核となるのが規格値です。規格値とは、測定した値が収まっているべき範囲を示したものです。実際の施工では、設計値とまったく同じ数値に仕上げることは不可能ですから、「この範囲内であれば合格」という許容の幅が定められています。

たとえば出来形管理であれば、「基準高は設計値に対してプラスマイナス何ミリ以内」「幅は設計値に対してマイナス何ミリまで」といった形で示されます。品質管理であれば、「コンクリートの圧縮強度は設計基準強度以上」といった具合です。工種や項目ごとに、それぞれ規格値が定められています。

規格値を外れた場合は、原因を調べ、是正が必要になります。手直しで対応できる場合もあれば、やり直しになる場合もあります。だからこそ、施工中に自社で測定し、規格値に収まっていることを確認しながら進めることが重要です。完成してから測って外れていた、では手遅れです。施工の途中で監督職員の確認を受ける場面については段階確認とはをご覧ください。

なお、規格値は「これを守れば十分」という最低ラインではなく、構造物としての性能を確保するために必要な精度です。余裕をもって管理し、規格値ぎりぎりではなく設計値に近づける施工が、良い品質につながります。

測定頻度の考え方

規格値とセットで定められているのが測定頻度です。「どのくらいの間隔で測るか」「何回測るか」が、項目ごとに示されています。

頻度の定め方には、いくつかのパターンがあります。延長のある構造物であれば「◯メートルごとに1か所」、面的なものであれば「◯平方メートルにつき1か所」、コンクリートであれば「◯立方メートルにつき1回」といった具合です。施工の量に応じて、必要な測定回数が決まる仕組みです。

この頻度が定められている理由は、一部だけを測って全体を判断することの危うさにあります。たまたま良い箇所だけを測れば、全体が良いように見えてしまいます。一定の間隔で満遍なく測ることで、構造物全体の品質を代表する数値が得られます。逆にいえば、頻度を守らない測定は、記録としての意味を持ちません。

実務では、測定の計画をあらかじめ立てておくことが大切です。どの工種で、どの項目を、どの頻度で測るのか。これは施工計画書に記載する施工管理計画そのものです。着工前に整理しておけば、施工中に慌てることがありません。施工計画書の作り方は施工計画書とはをご覧ください。

記録と証明

測定して規格値に収まっていても、それを示せなければ意味がありません。管理基準に基づく測定の結果は、記録として整理し、検査で提示できる状態にしておく必要があります。

品質管理であれば、試験の成績表や、材料の品質を証明する書類が記録になります。出来形管理であれば、測定値をまとめた出来形管理図表が中心です。設計値、実測値、その差、規格値との関係が一覧で分かるように整理します。あわせて、測定している状況を撮影した工事写真も、記録の重要な一部です。写真の撮り方は工事写真とはをご覧ください。

これらの記録は、完成検査や中間検査で確認されるほか、電子成果品として納品する対象にもなります。日々の測定と記録の積み重ねが、そのまま成果品になっていく、という関係です。納品の仕組みは電子納品とはをご覧ください。

ここで強調しておきたいのは、記録の誠実さです。都合の良い数値だけを記録したり、測っていない値を書き入れたりすることは、絶対に避けなければなりません。それは記録の改ざんであり、構造物の安全に関わる問題です。実際に測り、実際の数値を記録する。規格値を外れたなら、それを報告して是正する。この当たり前を徹底することが、工事の信頼を支えます。

ICTを活用した管理

近年、出来形管理の方法は大きく変わりつつあります。従来は、測点ごとに人手で測り、値を記録していく方法が主流でした。これに対して、3次元計測を用いた管理では、面的にデータを取得し、設計データと比較することで出来形を確認します。

この方法の利点は、測定の効率が上がることに加え、点ではなく面で確認できることです。従来の方法では、測点と測点の間の状態は分かりませんでしたが、3次元計測なら全体の形状を把握できます。管理の精度が上がると同時に、測定作業の省力化にもつながります。ICT活用工事の全体像はICT活用工事とはをご覧ください。

ICTを活用した施工では、出来形管理の基準や提出書類の様式も、それに対応したものが定められています。従来の管理基準とは測定方法も記録の形も異なるため、適用される要領を確認したうえで進める必要があります。新しい手法を取り入れることは、生産性の向上だけでなく、総合評価での加点や工事成績評定における創意工夫の評価にもつながり得ます。

受注者の管理実務

管理基準に沿った施工管理を確実に行うために、受注者が押さえるべき実務を整理します。

第一に、適用される基準の確認です。管理基準は、発注機関や工事の種類(土木・建築・設備)によって異なり、年度ごとに改定されることもあります。契約後すぐに、その工事に適用される基準を確認し、対象となる項目と規格値、頻度を把握します。仕様書の読み方は仕様書とはをご覧ください。

第二に、管理計画の作成です。誰が、いつ、何を、どの頻度で測るのかを決め、施工計画書に落とし込みます。測定に必要な機器や、外部に依頼する試験の手配も、この段階で見通しておきます。試験には日数がかかるものもあるため、工程との整合が重要です。

第三に、その都度の記録整理です。測定したらすぐに記録し、規格値との関係を確認する。この習慣があれば、規格値を外れそうな傾向にも早く気づけます。検査の直前にまとめて整理しようとすると、抜けが見つかっても手遅れです。日々の管理の積み重ねが、良い工事成績評定にもつながります。評定の仕組みは工事成績評定とはをご覧ください。

材料の確認と試験

品質管理の出発点は、使う材料が規格に適合しているかの確認です。どれほど丁寧に施工しても、材料そのものが基準を満たしていなければ、求められる品質は実現できません。

材料の確認には、大きく二つの方法があります。一つは、品質を証明する書類による確認です。JIS規格に適合していることを示す試験成績表や、製造業者が発行する品質証明書を確認します。もう一つが、現場での試験です。コンクリートのスランプ試験や空気量の測定、供試体を採取しての圧縮強度試験などが代表例です。

実務で注意したいのが、材料を搬入するの段階での確認です。現場に入れてから規格外だと分かれば、返品や再手配で工程が遅れます。発注の段階で規格を確認し、搬入時に書類と現物を照合する。この流れを徹底することで、後戻りを防げます。材料の確認は、監督職員による確認の対象にもなります。

また、支給材料や貸与品を使う工事では、その取扱いにも注意が必要です。発注者から支給された材料の品質については、契約上の扱いが定められており、受領時に確認して、疑義があれば申し出ることになります。契約上のルールは公共工事標準請負契約約款とはをご覧ください。

管理の質が評価につながる

施工管理は、決められたことをこなす作業と捉えられがちですが、その質は工事の評価に直結します。工事成績評定では、施工状況の評価項目として、品質管理・出来形管理の実施状況が見られます。

評価されるのは、単に「規格値に収まっていたか」だけではありません。管理の計画が適切に立てられていたか、測定が計画どおり実施されていたか、記録が整理され分かりやすく示されているか、規格値に対して余裕のある精度で仕上がっているか——こうした点が総合的に見られます。同じ「合格」でも、規格値ぎりぎりの工事と、設計値に近い精度で仕上げた工事とでは、評価が変わり得ます。

また、管理の過程で工夫した点があれば、それも評価の対象になります。測定の効率を高める工夫、精度を向上させる工夫、品質を安定させるための独自の取組み。こうした創意工夫は、評定における加点要素として扱われることがあります。新しい技術の活用も同様で、NETIS登録技術を用いた場合の評価についてはNETISとはをご覧ください。

日々の測定と記録は、地味で手間のかかる作業です。しかしそれは、自社の施工品質を客観的に示す唯一の手段であり、次の受注につながる評価の土台でもあります。管理基準を「守らされるルール」ではなく「品質を証明する道具」と捉え直すと、取り組む意味が見えてきます。

よくある質問

品質管理と出来形管理はどう違いますか

品質管理は、使用する材料や施工そのものの品質を試験等で確かめるものです(コンクリート強度、締固めの度合いなど)。出来形管理は、完成した構造物の形状・寸法・位置を測定して確かめるものです(幅、厚さ、基準高など)。両方が揃って施工管理が成り立ちます。

規格値を外れたらどうなりますか

原因を調べ、是正が必要になります。手直しで対応できる場合もあれば、やり直しになる場合もあります。施工中に自社で測定し、規格値に収まっていることを確認しながら進めることが、手戻りを防ぐ最善の方法です。

測定頻度は減らせませんか

基準で定められた頻度を満たす必要があります。一部だけを測って全体を判断すると、構造物の品質を正しく代表できないためです。頻度を守らない測定は、記録としての意味を持ちません。

管理基準はどこで確認できますか

発注機関が定める施工管理基準や共通仕様書で確認できます。土木・建築・設備で内容が異なり、年度ごとに改定されることもあるため、その工事に適用される最新の基準を契約後すぐに確認してください。

まとめ

品質管理基準・出来形管理基準とは、公共工事の施工管理において、何をどの頻度で測り、どの範囲に収めるべきかを定めた基準です。品質管理は材料や施工の品質を、出来形管理は完成した形状・寸法を確かめます。中核となるのが規格値と測定頻度で、規格値は許容される範囲、測定頻度は施工量に応じた測定の間隔を示します。測定した結果は記録として整理し、検査で提示できる状態にしておく必要があり、その誠実さが工事の信頼を支えます。近年は3次元計測による面的な出来形管理も広がっています。適用基準の確認、管理計画の作成、その都度の記録整理が実務の要点です。関連して段階確認とは工事写真とはもあわせてご覧ください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、AIの特性上、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の内容に関するご質問、ご意見、または訂正すべき点がございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけますと幸いです。

※本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。管理基準の項目・規格値・頻度は発注機関や年度により異なります。具体的な内容は各発注機関の施工管理基準・共通仕様書等の一次情報をご確認ください。

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